ブログネタ:ケチ?
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思いきっり食べたい物にイクラが有る・・・
小学生のころ冷蔵庫の中にイクラがあったが、食べる為では無く、渓流釣りの餌としてである。
だから私は魚釣りのイクラしか知らなかったのだ。
だがある日・・・父が晩酌でイクラを小皿に盛ってきた。
何をするのかと見ていると・・・一粒口に入れては満足そうな顔をする。
そして・・・酒を飲む。
一粒・・酒・・一粒・・酒の繰り返しである。
小学生の私は何をしているのか聞いてみた。
父は渓流釣りの奥技を習得中だと教えてくれた。
「魚の気持ちになって初めて釣り師と言える」
私はさすが父と感心したのであった。
イクラ醤油漬け
今日も父は魚の気持ちになって酒を飲んでいる。
しかも今日は大根おろしが付いている。
大根おろしの中にイクラを入れてしまった。
私が不思議そうな顔をして覗き込むと「研究中だ」と言って、イクラの入った小皿を持ちあげた。
電燈に透かしたり、耳に当てたりして、最後には醤油まで掛けてしまったのである。
一体何の研究なのだろう?大人の考える事を理解するには、まだまだ難しい年頃であった。
・・・・・・・数日後
食卓を見ると父の前にイクラの小皿があった。
「研究熱心だなーお父さんは」
私はその時、何気なしにイクラを口に入れてしまった・・・・・・!
「オイシイ!」
生まれて初めてイクラを食べた瞬間だった!その衝撃は今でも忘れはしない。私は合計5粒のイクラを父の皿から食べてしまったのだった。
父が食卓に着くと・・・「おまえ、イクラを5粒食べたな!」と言われた。
「はい、食べました。ボクも釣りの研究がしたくて・・」
「・・そういう理由ならしょうがない、でもこれは大人がする事だから、以後気を付ける様に」
そう言うと残念そうな顔をして酒を飲み始めたのである。
ここまでくれば小学生とはいえ、気付かない訳がない。
そこで母に聞いてみた、「お母さん、イクラって魚の餌なの?」
「渓流釣りにも使えるけど家に有るのはお父さんのツマミよ」・・・やっぱり!そうだった。
しかし、何故私が5粒食べたのが分かったのか、不思議がっていた謎は後日解けたのである。
「お父さん、今日からボクも釣りの勉強をします」母に言って私も食べられることになった。
そしてイクラの小皿をみて理解した。
それは・・
5粒づつに10列に並んであった。
親父が食べすぎないようにお袋がイクラを整列させて有ったのだ。
そのうちの一列が無くなっていた為に直ぐに5粒と判断できたようだった。
私は親父に5粒返した。
始めは良いと言っていたが親父の皿に置くと、嬉しそうな顔をした。
ケチケチした話で有る・・・しかし
現在の日本では信じられないだろうが、特に山間部の私たちにはイクラは大変な貴重品だった。
本当に一粒一粒を味わって食べたものである。
今日、イクラの贈り物を頂いた。
昔を思い出して有り難くご馳走になるとしよう・・・
向かいの酒屋が営業しているではないか。
今日は、日本酒?焼酎?夜が待ち遠しい祝日となった・・・感謝!龍
