『ネバーエンディング・ストーリー』(1984年、西ドイツ)


いじめられっ子の少年バスチアンが古本屋で手にした一冊の本 、それは空想の国を舞台にした冒険物語だった
いつしか不思議な力に導かれバスチアンは本の中の世界に入って行く物語



1984年、今から39年も前の映画なんですね
当時、無茶苦茶流行りましたねぇ~
39という数字よりも、製作国が“西ドイツ”ということに時代の流れを感じます



現在ではチープにすら感じるVFXなファンタジー映画
かなりはや回しなストーリー展開だけど、何故か見れてしまう魅力があります
特撮だからこその説得力というか存在感が見せ場

まず、冒頭に流れるカジャグーグー・リマールの主題歌
今聴いてもワクワク感が伝わってくる名曲ですねー

本編はCG全盛の今とは違って人形っぽさがあったりして、微笑ましい可愛さや異世界の面白さがあって、色褪せないというより新鮮ささえ感じてしまう

それに、本の世界と現実の境界を行き来するメタの感覚を観る者、とくに子供に感じてもらえるいい機会になりそう


アウリンとラッキードラゴンというチートアイテムを持っているからいきなり南のお告げ所に到着したり、都合よく象牙の塔が目の前に現れたりする
旅のはじめからファルコンがいないのも、アルタクスが沼に沈むのも、人間の子供をファンタージェンに引き込むための必然だからとモンデンキントはアトレイユに告げているし、80年代のなろう系ストーリー


バスチアンの表情が、少々苦手
新しい名前を言うのか言わないのか、あたりのバスチアンと女王の表情は、 クライマックスという位置づけなのだとは思うけど、 やり過ぎで入り込めなかった

後半部のバスチアンは、まるでドラえもんの秘密道具を得て、異世界で増長するのび太のように暴走するし

ラストは、安っぽい終わり方になってしまったなぁ……
いじめっ子に暴力で仕返しするのは、 一見いじめられっ子の味方をしているようで、 実は「一時的な苦痛で許されたらいいなぁ」という「いじめっ子側の(あるいは、かつていじめっ子だった大人の)願望」を具現化したものです
いじめられっ子は、一時的な暴力が本質的な解決にならないことを知っているので、 この結末は救いにならず絶望的


それでも、最終的には改心して現実世界に帰還し父と和解、精神的にも成長するバスチアンの姿を描いた後半部こそが本題ですよね



「ファルコーーーーン」