むかし,むかし,
小さな村にとても勇敢で賢い男の子が住んでいました。
ところがその男の子はとても深い傷を負っていたのです。
そのせいで男の子は思うように身動きが取れず苦しんでいました。
そこで男の子は言いました
「傷が痛くて苦しいよ,助けて」と
ところが,村人達はその男の子を
「仕事をしたくないからそんな嘘をついて怠けようとしているんだ」「とんだうそつきだ」と非難しました。
それでも男の子は自分を信じ傷が痛くて苦しいと言いつづけました。
すると村のみんなは男の子を厳しく叱りつけ,もう二度とうそをつけないようにする為にと,悪い大人になってしまわないようにと怖い,怖い罰を与えました。
もちろん村の人たちは,悪い人達でも薄情な人達でも有りませ。本当にその男の子のことを思って、心を鬼にしてそうしたのです。それに…村人達の目には,その男の子の傷は見えなかったのです。ただ自分達の目を、周りの言うことを信じただけです。
男の子は自分以外の全ての人が自分には傷がないと言うのでもしかしたら僕の思い違いなのかもしれない、間違っているのは僕なのかもしれないと思い直すようになっていきました。
なぜなら,男の子にもその傷は見る事が出来なかったからです。
・・・以前は確か見えていたような気がしていたのに。
そして,傷は無いのだと自分自身に言い聞かせていくうちに,徐々に痛みを感じなくなっていったのです。
そしてついには自分にはやはり傷はなかったのだと思うようになりました。
なぜならそう思う事で村人の仲間になれたからです。
みんなと仲良くなる事が出来たからです。
男の子は村の人たちが大好きだったのです。
みんなに仲良くしてもらいたかったのです。
しかし男の子は「目には見えない深い傷」を負っているのです。
つづく
光の男の子Ⅱ | インナーチャイルド愛100% (ameblo.jp)