フェラーリカリフォルニアが日本に紹介されたのが2009年。
ちょうどカーコンセントを設立した初年度だったのでよく覚えています。
フェラーリといえば8気筒がミッドシップで12気筒がフロントエンジンというのが棲み分けとしてあったわけですが、このカリフォルニアはその壁を一気に取り去った感じですね。
フロントに8気筒を載せて、オープンまで自動でできてしまうというフェラーリらしからぬ進化と挑戦を感じさせるデビューでした。
当時のミッドシップはF430だったわけですが、価格はほぼ同じぐらいだったと思います。
まだF430はシングルクラッチのF1マチックでそれなりに変速ショックなどもあったし、クラッチの交換時期などを気にしないといけない車でしたが、その後の458→488→F8に採用されるデュアルクラッチを初めて搭載したのも実はこのカリフォルニアでした。
そう考えると大げさに言うとフェラーリの歴史の転機ともいえる存在感がありますね。
このカリフォルニアは数年前に下取で入ってきたのですが、入ることが決まったタイミングで仲良くしているクリニックの先生から電話が入ってきて
「今日、食事でもどうですか?僕、なんか今フェラーリ買おうと思ってるので(笑)」
と、言うのでそのままカリフォルニアでお迎えに伺いました。
ほぼほぼ即決という感じで決めていただいたので、そのときは動画撮影などはしてなかったのですが、今回、またお乗り換えということで入庫となりました。
もともとは黒のボディカラーに内装が赤という組み合わせだったのですが、そのときのクリニックの先生の希望でネイビーのラッピングをすることになりました。
このラッピングというのは、よく耳にするプロテクションラッピングよりも安価でできることは意外と知られていないと思います。
透明のプロテクションラッピングは施工が難しいのと原材料が高いという性質があり、かなり高額になりますし、施工する職人さんの腕に仕上がりが左右されるというのがありますので注意が必要です。
このカリフォルニアは福岡ではランボルギーニのディーラーやスーパーカーを取り扱う専門店からも厚い信頼を得ている職人さんに施工してもらっていますので、仕上がりはピカイチです。
せっかくなので、ラッピングならではのカラーリングを楽しもうということで、マットネイビーというカラーにしてみましたが、仕上がったらこれがまたカッコよくてお洒落に生まれ変わりました。
オープンカーは外装だけでなくオープンにしたときに内装の色が印象をガラっと変えるアクセントにもなるわけですが、この組み合わせは非常に合ってますね。
だいたいはこのようなラッピングされた車が入庫してきた場合はラッピングを剥がして販売することが多いのですが、今回はそのまま販売をすることにしました。
もちろん、黒に戻すことも可能ではあるのですが、せっかくなら、こういった仕様を楽しんでいただけるオーナー様にご縁をつなぐことができたらと思っています。
ドアを開けて乗り込んでみると、上部にカーボン+インジケーターが装備されているステアリングが目に入ってきます。
カリフォルニアは日常の足として乗れる唯一のフェラーリともいえる車なので、こういった遊び心がある演出というのも面白いと思えてしまいます。
純正のナビにフルセグのテレビチューナーを弊社でつけているのですが、せっかくなら社外の2DINモニターをスマートフォンと連動する感じでインストールしたくなってしまいます。
そうすれば、きっとさらに使いやすさが増して、日常に乗って出かけたくなるのではないでしょうか。
エンジンをかけるのはステアリングスイッチで始動するわけですが、火を入れる瞬間の初動の音は迫力あります。
また、手元のスイッチで約20秒でバリオルーフがオープンになり、開放的なオープンカーに早変わりします。
このカリフォルニアはクーペスタイルの屋根を閉じているときもかっこいいですが、やはりオープンにしたときのカッコよさは格別ですね。
この格納式のハードトップはドイツのヴェバスト社と共同開発したもので、ヴェバストは「フォルクスワーゲン・イオス」や「ダイハツ・コペン」などを手がけた経験をもつ、この分野のエキスパートです。
ヴェバスト社と共同開発したハードトップの作動は滑らかで、開発キーワードは「ONE HEART,TWO SOULS」だというけれど、確かにクーペとオープンのスタイルがそれぞれ完成していると感じますね。
デザインは、ピニンファリーナとフェラーリのスタイリングセンターとのコラボによるものですが、完成された美しさは街中でも目を惹きますね。
また、カリフォルニアはリアのシートが用意されており、非常に狭いですが、エマージェンシー的に後部座席に2名を乗せることも可能です。
まあ、これはあくまで非常用ということでちょっとした荷物置きがあると無いとでは日常の使い勝手が違いますから、あると便利ですよね。
トランクスペースもベンツのSLKでもわかるようにバリオルーフを収納するスペースが必要になる関係でトランクは意外と広く取られています。
しかも、フェラーリらしからぬ“トランクスルー”機能がついていて、長い尺のものも載せられりするのも実用性高いですね。
エンジンかけて走ってみると、まず最初に感じるのがシフトのスムーズさです。
変速ショックなどもほとんど無いフィーリングは、気を使わなくてよい感じで、オートマモードにして走ったら、フェラーリであることを忘れてしまうほどの快適さです。
マニュアルがあったら楽しいだろうなという声もあると思いますが、この特性を考慮したら、このDCTがベストだと思えます。
ちょっと車が少なくなってきたら、アクセルを踏み込んでみたくなります。
アクセルを踏み込むと明らかにエグゾースト音が響きます。
オープンにしていたら、さらにそれがダイレクトに耳に届き、そのエンジン音はもちろん不快なものでなくエキサイティングな体験をダイレクトに感じさせてくれるBGMとなってくれます。
峠に差し掛かるころにはステアリングのモードを“スポーツモード”にしたくなる衝動に駆られていました(笑)
スポーツモードに切り替えて、さらにペースアップしていくと、460馬力のエンジンが本領発揮してきます。
カリフォルニアを軟派なフェラーリだと言っている人がいましたが、さすがフェラーリだと思えるスポーツ性能を体感できます。
ボディ剛性も高く、オープンだから・・・と思う場面というのが少なくともワイディングで走っている間は感じる場面というのはありませんでした。
途中で休憩して撮影してみましたが、この秋の最高の季節に青い空をバックに、映える写真になりました。
こうやって、思わず撮影したくなる車ってイイですよね。
戻ってきて動画撮影をスタジオで済ませてからAIS査定の査定員に査定をしてもらったのですが、かなり良い評価をされました。
ラッピングされている時点で査定が0.5点は無条件にマイナスされるようですが、この年式でいうとかなり綺麗なコンディションであるということにもなります。
動画や写真などを参考にされて、是非秋のドライブが気持ちイイ時期にカリフォルニアを手にいられてみてはいかがでしょうか?
カーコンセントコストオフィシャルサイト
http://www.carconcentcost.co.jp