のっけからなんでつらがっとうのかちゅうたら、今日から連休が始まるからなんや。

ご案内のとおり、休みは家にいてなあかんやろ。そしたら吸う煙草はシガレットオンリーになるのや。

なぜなれば、パイプは家人に評判ようないねん。

臭いちゅうてな。

特に今吸うとう銘柄が、一本グソとかのしいかやろ。

テキらぶっちゃけえげつないカザがしまんのや。葉巻並みにナ。

パイプ煙草なしで、シガレットばっかり吸うてると、不経済極まりないねんけどなあ。

ここは亭主の権限を生かして無理くり吸うてもええのんやけど、休みのおりぐらい、お互い機嫌よう穏やかに暮らしたいよってナ。

今日から四日間、黙ってシガレットだけをちみちみ消費していくことになる思います。

となればやな、ここは一番、今まで買うのをためろうてた、たいそういかつい銘柄吸うてやろと決意し、昨日雨のそぼふる中、赤坂見附まで行って来ましたのやデ。

で、買うてきたのがこのテキたちなわけや。

感想はおいおい述べるとして、今日は顔見世ちゅこっちゃな。

実装者流-ナチュラルアメリカンスピリットオーガニック

『ナチュロォー・アメリカン・スピリット・オーガニックBOX』

キングサイズ二十本入り五百円。T12mg、N1.7mg

アメリカンブレンド仲間じゃ事実上の酋長やデ。とにかくニコチン1.7mgちゅうのがえげつないやろ。バーレーのニコチンちゅうのは、ぶっちゃけ攻撃力抜群なのや。

酔わんように気をつけなどんならん。

実装者流-スモーキンジョー・フルフレーバー

『スモーキンジョー・フルフレーバー』
キングサイズ二十本入り四百八十円。T13mg、N0.9mg

こっちはヴァージニアブレンド仲間じゃあ、ちょっとぶいぶいいわしとうやつやデ。

で、極めつけがこのテキや。

実装者流-コイーバシガレット

『コイーバ・シガレット』
キングサイズ二十本入り五百円。T10mg、N0.6mg

TN値はたいしたことないけど、言わずと知れたハバナ葉使用の暗黒煙草じゃい。

シガリリョス・二グロスちゅて書いたあるやろ。

どうでやす?

尻の穴がムズムズするような、ごっついラインナップでっしゃろ。

まあ、これぐらいの愉しみでもないとナ。

「せいやん。さいぜんからワイ、腹がペコペコやねんけど」

「そうゆやぁ、ワイもボチボチ小腹が空いてきたとこや」

「どこぞに茶店ないやろか。でないとワイ、もう歩かれへんで」

「頼んないがっきゃ。おお。ちょうどええ。ワイの指先見てみ」

「太い指やナ」

「指見んのとちゃうねん。ワイの指の先見てみっちゅうねん」

「爪はえたある」

「爪の先やがナ」

「垢たまったある」

「嬲っとんかいなこいつ。ワイのひとさし指が指し示すベクトルの延長線上約三百二十五メートル地点にやナ……」

「せいやん。あっこに煮売屋があるデ。お前気づかんかった?」

「さいぜんからあの煮売屋のことをゆうとんねんやがナ。ちょうどええ。よっていこ。ごめん」

「いらっしゃい。旅の衆ですかな」

「せや。ワイらふたありして、伊勢参りへ行くとこなんや。ちょっと一杯よんでんか」

「どうじゃ旅の衆。地酒のええのが樽で届いたとこなんじゃ。一杯やりゃせんかい?」

「地酒?」

「そうじゃ。ここらでしか呑めやせん、マボロシの地酒。その名も『好男子』じゃ。お前さんがたにゃもってこいじゃろ」

「べんちゃら上手いなおやっさん。ほな一杯づつもらおか」

「おい。おい。せいやん。値段聞いてからのほうがええのんと違うか? 高い酒やったらほら……」

「なにをこまかしいことゆうてんのや。ワイら日常生活から離れて旅しとんのやないかい。旅先でしか味わえん酒。少々高うてもええねん。思い出になんねん。おやっさん、一杯づつよんでんか。おお。これは美味い。まろやかな中に上品なコクがあってな。生酒かいな。そやろ。こういう上等なんは冷やでいかんとあかん。で、一杯なんぼやこの酒?」

「たいしたことありゃせん。一杯二万九千八百円じゃ」

「ブーッ」

「汚いなキィ公。ワイの顔の前で噴出すやつあるかい。びちゃびちゃになってもたがな」

「しもた。おおかた三千円がん、せいやんの顔へ噴出してもた。ちょっと顔ねぶらせて」

「アホいえ!」

「おかわりどうじゃな?」

「美味しいけどもうええわおやっさん。ワイら路銀のうなってまうさかい。あとは普通のヤツで」

「そうか」

「おやっさん。ワイらちょうど煙草切らしとんのや。ワイはセブンスター。キィ公は?」

「ハイライトや」

「そうか。ハイライトにセブンスターじゃな。おーいババどん。蓑と笠。そうそう。そこにかけとるじゃろ。ワレ旅の衆の相手しとれ」

「おいおい。おやっさん。蓑と笠つけてどこ行くねん?」

「セブンスターもハイライトも切らしとるで。町まで買いに」

「町ちゅうてどこにあんねん」

「山越えの十二里じゃ」

「往復二十四里! おやっさん六十超えたあるやろ。足ヨボヨボやないか。いつ戻ってくんねん?」

「そうじゃのう。明日の日が暮れには」

「そんな待ってられへん。んー。ほな他のやつでええわ。えーっとマイルドセブンにキャスター」

「ババどん。蓑と笠……」

「蓑と笠はもうええっちゅうねん。一体なにやったらすぐ出てくるんや?」

「このへんの地タバコならあるがな」

「地タバコ? そんなん売ってええんかいナ。どんなんあんねん?」

『むらさめ』『にわさめ』『じきさめ』のみっつじゃな」

「ほぉー。洒落た名前やないか。『むらさめ』ちゅうたらどんなタバコや?」

「吸うたおりはほろほろしたキモチになるけど、村を出るころにはニコチンが切れるんじゃ」

「ほな『にわさめ』は?」

「この店の庭を出たらニコチンが切れるんじゃな」

『じきさめ』は?」

「吸うてるそばからニコチンが切れるんじゃなあ」

「ほなずっと吸うてんとあかんやないかい。そんなんいらんわ!」

ワアワアゆうております。

おなじみ『東の旅』『煮売屋』の一席でございました。

「どのへんが『煮売屋』やねん!? ぜんぜんちゃうが!」

今日、明日はお休みでっか?

え? 

「そら実装者はん、確かに今日明日をお休みにすりゃあ、黄金の九連休になりますけど、この世知辛い世の中、そんなことでけるんはあんた、大手企業の社員はんか、もしくは不本意ながら仕事量との兼ね合いで無理くり休まされる派遣社員や契約社員だけでな。ワタイらみたいなビンボ人やみな、しっかり出勤でっせ」

さよか。

ワタイもです。

昨日四月三十日も仕事の関係で出勤したりしてナ。そのかわり七日は都合で休みまっけど。

大体、システム開発の仕事なんぞやっとりますと、客が休んどうあいだに、システムにパッチあてたり、ステテコはかせたり、さるまたに着替えさせたりせんならんさかいナア。

どんなりませんわい。

さて、月も替わって煙草予算にリセットがかかったちゅうことで、さっそく買いにいきましたデ。

五月度の戸口を飾るのはこの銘柄です。

実装者流-ピースライト

『ピース・ライト』

JT製。キングサイズ二十本入り四百四十円。T10mg、N0.9mgちゅうスペックです。

このさい、ピース一門を全部試してみようと思いましてナ。

どうでもええけど、このデザインなんとかならんのかい。

ショートピースの絵ぇ貼り付けただけながナ。

さて、味ですけどね。

ヴァージニア系葉っぱのパワーが弱まっとう分、アメリカンブレンドっぷりが強まってますけど、お互いに殺し合いしまして、なんや、ボケた喫味になってしもてます。

『ピース・インフィニティー』ほどではないけどナ。

やっぱし、おとこは黙って『ロングピース』でっせ。

もちろん、分限者は黙って『ザ・ピース』にせなあきまへんデ。


商品名金額
サミュエルガーウィズ・ブラックXX1,900
オーリック・ゴールデンスライスド1,500
アルカポネ・ポケット380
ゴールドシール・ペティト450
チェ・レッド410
ロングピース×2880
モンテクリスト・ミニシガリロ1,200
ニナス400
ピース・インフィニティ470
マールボロ・ブラックメンソール440
※ 合 計 ※8,030


ちゅことになりましたデ。

さて。難しいのが恒例の『今月のベストインプレッション煙草』をどれにするかなんですわ。

これまではあれがええかこれがええか、ほとんど迷うことなくひとつに絞れたんですけど、今月はナア。

そこのあんた、どれやと思いなはる?

「やっぱし、戦慄の一本グソ、『ブラックXX』でっか?」

うーん。やっぱりそうきなはるか。順当なとこや思いますわ。

ほな、そっちゃのあんたは?

「やっぱし、ブランドの名に恥じん、じょうしんなお味の『モンテクリスト・ミニシガリロ』とちゃうんでっか?」

ええセンついてきはるなあんた。苦労人やなあんた。

けどね、ワイはあえて、『今月のベストインプレッション煙草』の栄誉を『ロングピース』に与えたいと思いますのやデ。

アホみたいにいろいろとシガレットを試してきて、それでも『これは飛びぬけて美味いワイ』と感心したワケでやっさかいね。

戦慄の一本グソやじょうしんなハバナ葉には申し訳ないけど、やっぱしここは一番、『ロングピース』を推したいと思いますのや。

なんし、どこでも買えるんでやっさかいね。

我が国の喫煙者は幸せでんナア。


しみじみ思うことあります。

それはね。

「割高になってもええさかい、すけないグラム数で煙草の葉ぁを売ってくれへんじゃろか」

ちゅことなんですナア。

パイプ煙草のデフォルト分量は五十グラムなんですけどね。

たかだか五十グラムいいますけど、ぎょうさんありまっせ。

あんまし美味しいことあらへんナと思うやつは、吸うても吸うてもなくなりまへん。

「まぁだあんのかいな。ちょっとも減ったらへん。時間が経ったら増殖しょんちゃうかこのテキ」ちゅうて、半分泣きかかったりしてナ。

着香着味系なんざ、早けりゃ二回目でもう飽きるし、イングリッシュ系で美味しいなと思うやつでも、五十グラムも吸い続けりゃあ、そらあんた、ええ加減飽きてきますわ。

例えば、生まれて初めて吸うたヴァジフレーク、『ダンシル・フレーク』にしても、くだんの『未確認のしいか物体』、『オーリック・ゴールデン・スライスド』にしてもな、最初は美味しいなあと感動しましたけれど、よう考えたらあんた、ヴァジ系シャグ煙草をカピートミニパイプでせちべんに吸うてたやつが、大掛かりになっただけやったりするワケやし。

第一、なかなかなくらんさかい、次のやつに取り掛かられへんちゅうのが辛いわ。喫煙極道としては。

パウチもんでも缶もんでも、開けたてホヤホヤと、暫く経ったのとでは味が変わってくるちゅうのもちびしいデ。

味がどんどん劣化してくるちゅやっちゃ。

もう少しすけない量のバージョンも準備してくれんかナア。

十グラムちゅうのはちょっとさぶしいよって、二十グラムとか。せめて半分の二十五グラム入りのやつをぜし、各銘柄販売しておもれえもうしてえもんや。

なああんた。そう思わんか?