本日、ある場所で記者会見がありまして、入り口で入室許可証を受けて入りました。
ここで、事件が一件。日本の他紙のカメラマンが、「きょうは、写真を撮った後に記事もかかなければならない。それなのに、写真をとるための許可証がもらえない」と泣きそうな顔をしていました。彼は、英語ができないのです。
「それなら、一緒に来なさい」といって、広報担当のところに行って、かわりに説明してあげました。
「彼はこの許可証を得た。でも、これは彼にとって十分ではない。なぜかというと、彼は今日は、写真をとって、記事も書かなければならないからだ。この許可証は明らかに記事を書く人用だ。写真を撮るための許可証もくれないか?」と。
そういうと、広報担当はすぐに理解して、許可証を作り直してくれました。
面白かったのは、そのカメラマンが「簡単な英語なのに通じましたね。でも、僕にはまねできない」と驚いていたことです。
「自分は英語で言いたいことが言えない」と悩んでいる人の多くは、自分が言いたいことを考える時、英語の文章を「複文」で考えていることが多いです。
例えば、今回の場合だと「この許可証をもらったが、私は記者ではなくカメラマンも兼ねているので、写真も撮れるような許可証をくれないか」という具合に、一文で言いたいことを言おうとするのです。
でも、言いたいことが複数ある時に、一文で言おうとすると、たいていは失敗します。話している相手があなたの言いたいことの中心わからなくなってしまうからです。
それを防ぐには、まず、文章を切り離すこと。その上で、BUTやSO BECAUSE などを使って文章をつなげていけば、意図が伝わります。
最初にやるのは問題点を説明することですよね。この場合だと「許可証を得たが、これは十分ではない」ということですね。相手は「WHY?」と理由を聞いてくるはずです。
次に、その理由を説明すること。「なぜならば」という言葉を使って、それを言います。
最後に、全体を説明した上でもう一度要求を言い、言いたいことを強調する。「写真を撮る許可証もくれないか?」と。
こうすると理解してもらえます。
もちろん、英語が上達してきたら、もっとシンプルに格好良く説明できるのでしょうが、それができない以上、自分の英語力の範囲内で分かるように説明するしかないですよね。