日本政府に問う。イランは日本の伝統的友好国なのですか? | 「ぶわっ」

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菅原 出

国際政治アナリスト 危機管理コンサルタント

2024年05月21日
イランの現指導部は、もはやかつてのように西側の技術や投資を受け入れて国を発展させていくことを目指していません。
 米国の主導する秩序に反発し、それに対抗する姿勢を鮮明にしている中露と組んでいく方向性は、イランの次の大統領が誰になろうと変わらないでしょう。
(後略)

塩崎 悠輝

静岡県立大学国際関係学部 准教授

2024年05月21日
20年前ならともかく、現在のイランでは、大統領は軍事、経済、外交にはほとんど関与できないので、誰が大統領になっても、外交への影響はないです。
 とりわけ、パレスティナとか、レバノン、シリア、イエメン、イラク等については、完全に革命防衛隊が決定しているので、大統領選挙がそのあたりについての政策を何か変化させることはありません。

そもそも、大統領選挙に立候補できるかどうかの資格審査は、イスラーム法学者たちで構成される「監督者評議会」で決定されます。
 現在では、革命防衛隊の意に沿わない候補者が立候補を許可されることはありません。
 このあたりのイランの権力争いは、15年前には革命防衛隊による権力独占で決着がついています。建設業とかの公共事業も革命防衛隊傘下の企業が独占しています。
 「ハマースへの支援をやめよう」とか公言する人物が立候補を許可されることはありえません。
 故ライーシー前大統領も独自の政治的意思などありませんでしたが、今後も現在の路線を粛々と継続する人物が大統領に据えられます。

イラン国民もそういうことはよくわかっているので、シラケたものです。
 選挙で何か変わるとは全く期待していません。

ただ、現在の最高指導者のハメネイは、前職が大統領だったので、政治的キャリアのステップとして、大統領を務めることには意味があります。
 その大統領職を誰がやるのか決めるのは、実質的には、最高指導者と監督者評議会、革命防衛隊最高幹部といった、ごく少数の内輪の協議です。

次の最高指導者に誰がなるか、にしても、革命防衛隊の頭を押さえつけられるほどの人物はいません。
 最高指導者というポストは、ホメイニーでこそ権能を発揮できたものであり、今のイランはヒトラー死後のナチスのようなものです。ゲーリングとかゲッベルスとかではヒトラーの代わりにはならないように、ハメネイにしても肩書は最高指導者でもずいぶん小粒です。
 結局、軍事と経済を握る革命防衛隊が権力を取りました。今のイランは、ヒトラーの死後に親衛隊が国家機構を統括するようになったナチスのようなものです。

 

 

事故死したライシ大統領はどのような人物であったのか。

 

パリに本拠を置くNCRIの外交委員会職員アリ・サファヴィ氏はアラブニュースに対し「ライシのような大量殺人鬼が大統領に当選することが予想される状況により、イランを支配する中世の神権政治の真の、かつ邪悪な性質があらわになっています」と語った。

こう付け加えた。「西側諸国は40年以上にもわたり、イラン穏健派に力を貸すとの口実のもと、真っ当なイスラム教徒を言いくるめており、結果イラン国民や地域の平和と安定が犠牲となっています。

「もはや言い訳は許されません。国際社会が、自らが擁護すると主張する価値観を実践し、八百長選挙を非難して、イラン現体制とライシのような犯罪指導者に、人道に反する数多くの犯罪の責任を負わせるべき時期が到来しました」

 

 

●一言●

 イランはアメリカはじめ西側諸国を殲滅し、世界のイスラム独裁支配をイランの国是としている。イランの実権を握っているのは革命防衛隊だ。イスラム法学者と革命防衛隊が権力独占状態の独裁国家イランを日本外務省も日本のメディアも「イランは伝統的友好国だ」と言い続けている。頭がおかしいのではないか日本国政府と外務省は。イランは米国も日本も地上から消滅させるべき敵対国だとしている。その証拠に今なお日本郵船の輸送船を攻撃した挙げ句に今なお船を拘束し続けているではないか。