韓国の現状⑨高層富裕マンションと同居する貧民窟。韓国の貧民街「쪽방」(チョッパン)を歩く。 | 「ぶわっ」

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 韓国の実情シリーズが長くなりますがもう少し続けるつもりです。

  鍾路区の日本大使館前で開催されていた慰安婦抗議集会を見てから地下鉄とバスを乗りついで「孝昌公園」(ヒョチャンコンウオン)へ向かった。この公園を観光する日本人はほとんどないがもしソウルへ行かれる機会があればぜひ行ってみてほしい場所だ。
  この公園は観光案内などを見ると「金九(キム・グ)をはじめ祖国独立のために命を落とした愛国者たちの墓地もある」とか「韓国の独立運動家たちが眠る歴史ある公園」などと書いてある。呆れ果てるとはこのことだ。

歴史博物館「白凡(ペッポム)記念館」
  
  日本国天皇をはじめ日本政府要人殺害を計画し遂行したテロリスト集団「韓人愛国団」の親玉の「金九」をはじめ、昭和天皇の車列に手りゅう弾を投じた李奉昌(イ・ボンチャン)、「上海天長節爆弾事件」の犯人の尹奉吉(ユン・ボンギル)などがこの公園では義士として祭り上げられている。

 ここは日本人をターゲットにした朝鮮人テロリストを賞賛し永遠に讃えるための記念公園である。公園の上には孝昌運動場朝鮮人テロリストの親玉である「金九」(キムグ)の生涯を紹介した歴史博物館「白凡(ペッポム)記念館」がある。

 


 歴史博物館「白凡(ペッポム)記念館」内部。金九の像。

 
  孝昌公園は日本の天皇や要人を暗殺しようとして襲撃した朝鮮人テロリストたちの顕彰碑とか墓地が集められている公園である。いわば対日朝鮮人テロリスト顕彰公園と言っても過言ではない。この孝昌公園に墓地や銅像のある恨日テロリストたちについてはいずれ項を改めてじっくりと紹介したい。

 孝昌公園は山の上にあって行くにも帰るにも坂道を歩く。
 この日は孝昌公園から歩いてソウル駅まで行ったのであるがそのルートに沿ってソウル中心部の光景を紹介したい。

 孝昌公園から下ると坂道に沿って広大なキャンパスのある「淑明女子大学」

(スンミョン ヨジャテハッキョ)がある。韓国の女子大学と言えば「梨花女子大学」が有名だがこの女子大も梨花(イファ)と並んでお嬢様大学として韓国では応募者も多く人気が高い。略して「淑大」(スッテ)と呼ばれる。

「淑明女子大学」正門


 女子大生たちは坂下の駅から毎日坂道を登って通学している。帰りもまた坂道を下る。
 この坂道には女子大生を相手にスイーツの店やちょっとした食べ物を売る店が並んでいる。人気店の前は女子大生の人だかりができる。そのため下校時は歩道がほぼまともに歩けないため車道も人であふれる状態となる。


第一キャンパス 正門 学生会館など



第一キャンパスの向かい側にある「第二創学キャンパス」。韓国語学校もあり日本からの留学生もいる。

「淑明女子大学」の坂道を下ると大きな教会がある。
 これは「サミル教会」(ソウル市龍山区青坡洞)といって韓国の中でも大きな教会の一つである。

サミル教会B棟


 A館からD館まで建物が4か所にある。このサミル教会は学生はじめ若者がとくに多いので有名だ。サミル教会は平均年齢が26歳、若い人々が毎週一万人以上も集まると言われている。

 
 サミル教会から線路沿いに歩いていくと道路の向かい側に巨大なビルが見えてくる。これが旧名で「世界キリスト教統一神霊協会」(ソウル特別市 龍山区 青坡洞)だ。いわゆる統一教会だ。集団結婚式などで日本でも知る人が多い。統一教会は名称を変更しており現在の名称は「世界平和統一家庭連合」(せかいへいわとういつかていれんごう 略称:FFWPU)である。

 


写真に映っている旧統一教会ビルの一番上のハングル文字は現在の名称の「世界平和統一家庭連合」と書かれている。

 統一教会ビルの前あたりにトンネルのような通路がある。これは電車の線路を横断する通路だ。すぐ近くにはソウル駅がある。線路下の長い通路を通り抜けて左折してしばらく歩けばソウル駅に着く。
 ソウル駅へ向かって線路沿いの歩道を歩いていくと軒を並べている商店に一つの特徴があるのに気付いた。

 


義足とか手や足、店により臓器模型など義手義足に関する商店が軒を連ねている。


「KDB生命タワー」(ソウル特別市 龍山区 東子洞)

 

 道なりにしばらく歩くと左手にソウル駅が見えてくる。
 ソウル駅の周辺には富裕層の住む高層ンションが林立している。

高層マンションが立つ。左右のマンションの間から奥に南山のソウルタワーが見える。

 

ソウル駅。

画面右の奥に見えるのは併合時代につくられたドーム屋根の旧ソウル駅舎。

 

 こういう光景を見れば韓国の豊かさが感じられるだろうが現実はどうだろうか。韓国では貧富の格差がひどく実はソウル駅はホームレスの巣窟なのである。ソウル駅には韓国の繁栄の光と影が如実に露呈しているのだ。
 ソウル駅と近隣をつなぐ地下道にもホームレスが多い。

正面、ご飯を食べているホームレスに鳩が群がっている。

 

寝ているホームレス、新聞を読むホームレス。観光客は無関心だ。

 

正面にはうずくまっているホームレス。画面左のピンク、白は彼らの布団や生活道具など。

 いま日本でも公開されている韓国映画「パラサイト」 半地下の家族 が評判のようだ。だが半地下であっても住む家のある韓国朝鮮人はまだましである。韓国の中でホームレスは深刻な貧困対策の課題となっている。
 

  ソウル駅前の広場から下の広い道路へ降りる道は階段状になっており左右に曲がりつつ通路を下っていかねばならない。
  その折れ曲がった階段の狭い踊り場のような場所に両手を出して頭を下げ土下座して物乞いしている人が二人いた。階段の間隔をおいて顔を伏せているのではっきりとはわからないが一人は男、一人は女のようであった。たまたまその日いたのかいつもいるのかわからないがまだ若い人のようだった。一瞬カメラで撮影しようと思ったがやめた。その前を夕方の帰宅を急ぐサラリーマンやOL、学生などが急ぎ足で通り過ぎる。みな無表情であり足元に土下座している物乞いに目を向ける人はいない。ましてお金を恵む人は誰もいない。繁栄の中の貧困の現実をまさまざと見せつけられる。

   


 ソウル駅の真向かいの南山警察署のビル。屋上のバスを持ち上げている怪力男の人形には魂消る。 

ソウル駅の前には高層マンションが見える。その裏側へ歩いていくとそこには開発されないまま取り残された貧困地区がある。ソウル駅から歩いて5分くらいの場所だ。

 

貧民街の前には有料駐車場の案内。


 

長屋のドアにはキリスト教会の張り紙が。愛してます頑張ってなどと書かれている。

 

段ボールや紙。ガラクタ置き場になった階段で座り込み食事している男が二人いた。  

こういう狭い激安の住居に住む人はまだ家はあるだけましかもしれない。
 現在ソウル市内には鍾路区、中区、龍山区、永登浦などに極めて狭い劣悪な長屋の密集地がある。そこにあるのは貧民窟の「쪽방」(チョッパン)である。
 長屋と訳されるが「쪽방」(チョッパン)とは貧民窟そのものである。
 部屋は成人男性が一人やっと横になれるレベルであってトイレも風呂もない。こうした地区には長屋の一画に隠れるように共同のトイレがある。
 ソウル中心部のあちこちにある貧民街の長屋に暮らす人が増えたのはアジアを襲った90年代の通貨危機以後だといわれる。経済破綻をきたした韓国では大量の失業者が発生した。その結果労働社会の底辺にいた人々は生活の基盤を失い野宿者が急増した。その結果チョッパン」と呼ばれる日払い宿で生活をする貧困地区が形成されたといわれている。
 韓国の表の顔である経済発展の裏側には極貧の下層民が表裏一体になって張り付いているのだ。まさに韓国の光と影である。 


 経済発展に取り残された韓国社会の下層貧民たちは高層マンションの林立するソウル各地の裏側で逼塞しながら露命をつないでいる。また大学受験や就職試験を目指す若者はやはり極めて狭い間仕切りの窓もない部屋「考試院」ですし詰めになって暮らしている。家賃は安いがその劣悪な環境は貧民窟の「쪽방」(チョッパン)と大差ない。

 貧民街から見上げると高いビルの谷間に教会の十字架のネオンが見える。韓国の光と影の交錯する現実を神はどのように見つめているのだろうか。

 


 ソウル駅前という韓国の顔ともいうべき場所がどこにも行き場のないホームレスの巣窟になっている。
 貧困の中で露命をつなぐ多くの人々がいるにもかかわらずムン・ジェイン政権のやっているのは到底経済価値の向上につながるとは思えない民族主義イデオロギーを振りかざした恨日反米政策だけである。
 
 


●参考リンク●

●地獄と下長屋
「家でない家」長屋... 各種法枠もしばらく押し出され

https://www.hankookilbo.com/News/Read/201904232010390824

●地獄と下長屋
安宿後に... 大手家主の「貧困ビジネス」

https://www.hankookilbo.com/News/Read/201904181641056941

●地獄と下長屋
トイレのない1.25坪長屋... 「太陽かかる家で生きたい」

https://www.hankookilbo.com/News/Read/201905030286084846

●地獄と下長屋
粗末な部屋の鍵及びみすぼらしい公共トイレ... 暴力にさらされた長屋の女性

https://www.hankookilbo.com/News/Read/201905030125770406

●「チョッパン」 長屋
https://namu.wiki/w/%EC%AA%BD%EB%B0%A9

●「考試院」(コシウオン)

 若者が住む貧民窟同然の激狭の長屋が「考試院」(コシウオン)である。
 最初は受験や就職試験に再挑戦する若者が住む勉強部屋のようなものだった。だが若者の就職難は厳しく「考試院から抜け出せない若者も多い。その一方最近のネット情報による簡易宿泊施設の需要によって「考試院」が貸し部屋ホテルに模様替えする例も多い。このリンクの下のほうで実際に考試院に住む若者に女性記者がインタビューしている動画がある。会話は韓国語だけだが英語のテロップがついているので実際の部屋の様子を見るには役立つだろう。

https://namu.wiki/w/%EA%B3%A0%EC%8B%9C%EC%9B%90