就職して1年目のことだったと思う



それまで欠勤なく働いていたけど

その日だけは

何が何でも休みたかった







そんなことで?って
人によっては思うかもしれない







私が唯一休みたかった日


それは

私の大好きなロックバンドのライブの日







アメリカから
やってくるのです







大学生のときにファンになって以来
初めて来日した公演だった






ファンになってから
ライブがあったら何が何でも行くと決めていた



どうしても会いたかった






来日するのならば
ライブに行く以上に優先することはない

仕事だってそう
休む以外の選択肢はない






このチャンスを逃したら
次いつ来るか分からないし




一度だけでもいいから
生で見たかった









これほどの思いならば
休ませてくれよ〜
休んでもいいでしょう?

と心の中では思いつつ




こんな理由では休めないことも
同時に理解していた







塾の時間は
ライブの時間と完全にかぶるから

行くには休むしかない








有給休暇の取り方は
知らなかったけど



事前に申請したら
理由を言わなければいけないだろうし

嘘はつきたくないし
つくにしても
承認されるような理由は思いつかない







これだけ思いが強いのだから
本当のことを言おうかとも思ったけど
さすがにやめた







あと
事前に申請するのをためらったのは
他にも理由があって




直属の上司に
洋楽とかアメリカのロックバンドが好きとか
よく話していて


休みを申請して
その日にライブがあると分かれば

確実にそのライブのために休むのだと
疑われると思った






そのバンドの名前は
1番好きくらいに話に出していたし

その上司も洋楽好きでロックも好きで
情報も入るのではと思った


なんならそのライブ行きたいのではと思った






ますます言いづらいし


普段から好きだなんて
話していなければよかったと
ものすごく思った













休みを取れるか分からないけれど
何をしてでも休もうとは覚悟して


チケットの先行に応募して

チケットをとった






絶対に行くと決めて



楽しみにしていた








結局当日まで
有給休暇を申請できる手段はなく




当日に体調不良で休む作戦しかなかった











しかしそこで作戦ミスをしてしまう
















続きます