ウチューのトチュー ~  池田モノリス -86ページ目

(1020)ねぇ、モノリス…東京タワー見に行かない?

 

ウチューのトチュー ~  池田モノリス-スカスカでおセンチな三日月
(1020)
ねぇ、モノリス…東京タワー見に行かない?
 
ウチューのトチュー ~  池田モノリス-土星サブウェイ・コトリス-1
 
 
ビュン。

 
鼻血みたい。海がトンネルの壁に飛び散る。

 
長崎の坂道の上に住んでいた頃、幼稚園の遠足。
グラバー邸から写生した、ゼリーみたいな港。

 
ぬるり。

 
水槽の水を取り替えようとして
キンギョも流しの排水溝にこぼれてしまう夏休み。

 
どんな時も僕の上に浮かんでいたのに、
ソラがさ、浮かぶのをサボっている。

いろんな景色を放り出して。
 
 
ウチューのトチュー ~  池田モノリス-Aローズさんスケッチ-a
 

「ねぇ、モノリス。東京タワー見に行かない?」
 
ローズさんが、僕のスケッチブックぱらぱら見ながら
つぶやいた。
 
ああ、僕は車両から降り遅れているみたい。
まださっきの地下鉄の闇に半分座り込んだままだ。
 
「ね、これって、もしかしたら私?」
 
ローズさんの似顔絵は、うまく描けたことがないよ。
 
 
ウチューのトチュー ~  池田モノリス-土星サブウェイ・コトリス-2
 

ドックン、ドックン。

おくびょうなエレキベース。
 
景色が四分音符になって地下道の果てへ滑って行く。
 
ソラは時々車両の向かいの席に座って
ワンピースのお姉さんのように足を絡めて
こちらををじ~っと眺めている。

僕が腫れあがってしまったんじゃないか…と心配して。
 
もしかしたら、ここは僕の耳の中かもしれない。
 
あ、パタパタうるさいってば。
 
 
ウチューのトチュー ~  池田モノリス-ローズさんスケッチ-b


「ねぇ、モノリス。タワー見に行こうよ」
 
スケッチブックから抜け出したローズさんが
指先でソラをくるくるかき混ぜたから

地下鉄は急停車して消えた。

それってデート?
 
そうだ、デザイン学校つぶれちゃったら、
ローズさんと、もう会えなくなっちゃうかもしれない。
 
「うん。今日は絵の練習もなくなっちゃったし」
 
 
 
 
 
 
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(1019)COMとか、ガロとか、ミック・ジャガーとか、ゴトゴトうるさいトンネルの中。


 

ウチューのトチュー ~  池田モノリス-スカスカでおセンチな三日月
(1019)
COMとか、ガロとか、ミック・ジャガーとか、
ゴトゴトうるさいトンネルの中。
 
ウチューのトチュー ~  池田モノリス-キノコ・モノリス・ローズ
 

「前からモノリスにさ
一度聞いてみたいかな?って思ってたんだけど…」

 
…あ、カノジョとか、そういうんじゃないよ。
アパートに、ト、トモダチみたいな感じのコはいるけど…。

 
「モノリスって早稲田の法学部だっけ。
何でデザイン学校に通ってるわけ?」

 
ローズさんのミルク色の肩がちょっとだけ傾く。

 
…やっぱり、歳下じゃ頼りないのかなぁ…

 
「入学してすぐカウンセラーに
美大を再受験したい…って相談したんだ」

 
ローズさんとは授業中によくおしゃべりして先生に注意される。
ストーンズの新曲とか、ハレンチ学園の話とか。

あと、時々新橋駅まで一緒に帰るけど、それだけ。
20歳過ぎてもちょっと意気地無し。

 
「でも、再受験っていっても一年先のことだし…
ってウジウジしてたら雑誌で見つけた。
手塚治虫がマンガ学校作ったって」

 
「わぁ!それって、COMでしょ。
確か4月号に載ってた<生徒募集!>よね。
私も、それ見てここに入ったもん。
小学校の時から、ずっとリボンの騎士になろうって決めてた」

 
「僕はアトム。で、ガロ読んでから
カムイになろうと思ってたけど」

 
「バッカみたい。だって浪人までして早稲田入ったんでしょ」

 

 
「何か心の脇にトンネルが開いてる。
夜も昼もね、そこをいろんな電車が地下鉄みたいにゴトゴト、
勝手に通るからめんどくさい」

 
「同じ! 私、ヒコーキ。
心臓の下あたりをいろんな色のジェット機が
ビュンビュン通り過ぎていくの」
 
 
 
 
 
 
 
 
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(1018)僕の地下鉄ギンガ線は、赤いミニスカートにドキドキ停電。

 

ウチューのトチュー ~  池田モノリス-スカスカでおセンチな三日月
(1018)
僕の地下鉄ギンガ線は、
赤いミニスカートにドキドキ停電!
 
ウチューのトチュー ~  池田モノリス-ローズさんnew
 

「さっきまでクラスのみんなも残ってたのに。
モノリス、いつも遅いし」

 
ローズさんは、時々ドコを見ているのか分からない…
大きくて透明な目をしている。

「あ、ソラがね、機動隊の上から地下鉄にさ…」

「待っててあげたのよ、ずうっと一人で。
私、お姉さんだから」

 
ローズさんは確か二つ歳上。

 
すごく痩せているのだけど、
大学で出会う女の子達とは全然違う不思議な曲線で
ローズさんの体は出来ている。

 
「だから、地下鉄の中が真っ暗になって…」

 
「あ、モノリスって、関西出身だっけ?
地下鉄の停電って、最初はビックリするみたいね」


 

地下鉄銀座線って、しょっちゅう停電する。
東京に来て初めて銀座線に乗った時、すごく怖かった。

 
次の駅に止まる直前だっけ車内が真っ暗になって
予備灯みたいなちっちゃな灯りに切り替わる。

 
なんで暴動が起きないんだろう?って
ずっと不思議でしかたなかった。

 

 
でも、違うんだって。今日は。

 

 
さっき地下鉄の中でね

 
ソラが脱水機みたいにぐるぐる
そうだ、ジェフ・ベックみたいにギターを振り回して

 
手首かなんかケガしちゃって
きっと、真っ赤な血をこぼしていたのかも分からない。

 
真っ暗で、僕には何も見えなかったけれど。

痛くってもう、だからトンネルの時間なんかも、
とっ散らかしたままなんだ。
 
 
 
 
 
 
 
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(1017)鉄腕アトムの消しカスを拾い集めたマンガみたいな夜

 

ウチューのトチュー ~  池田モノリス-スカスカでおセンチな三日月
(1017)
鉄腕アトムの消しカスを
拾い集めたマンガみたいな夜
 
*ここは…1968か69年?のTOKYO~シンバシ西口あたり。
 
 
ウチューのトチュー ~  池田モノリス-OKマンガ横丁bang
 

こぼれ出してきた夜のカタマリは、
そうだ、溶けかけたグミみたいにヌルっと湿っててね

 
火星の辛い穴掘り作業の途中みたいに
ちょっとだけ不愉快。

 
ソラがビリビリ感電するくらい
僕の指先で撃ち抜いたら

夜の隅っこから、ピカピカの看板が突き出て来る。

「東京デザインカレッジ」。

手塚治虫が理事長になって
春に作ったばっかりの専門学校だ。

このコンクリートの箱が僕のキャンパス。
だけど、何だか様子がおかしい。

1階の事務所前にハリガミがある。

「都合により当分休校とします」

って何?

昼間の早大正門と同じじゃん。

「あ、モノリスくぅ~ん」

ローズさんがロビーのベンチから呼ぶ。
ウェーブした茶色の長い髪と、
ハリガミと同じくらいドキドキする真っ赤なミニ。

 
白くて長い足を絡ませながらこっちへ来る。

「学校つぶれるみたいよ」

「えぇっ、だって僕達まだ入学したばっかだよ」

「放漫経営が原因で閉校か…って、もう新聞に出てたわ」


ここも入り口じゃない。
出口でもなかった。

冗談じゃない。

またドアが消える。

 

 
(*98%くらい実話です。場所は虎ノ門だったかなぁ…)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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(1016)しらばっくれて、夜に抱きしめられるフリして、もう流し目で浮かんでる。

 

ウチューのトチュー ~  池田モノリス-スカスカでおセンチな三日月
 
(1016)
しらばっくれて
夜に抱きしめられるフリして
ソラは、もう流し目で浮かんでる。
 
*ここは多分…1970年前後のTOKYO~シンバシ?あたりです。
 
ウチューのトチュー ~  池田モノリス-キノコ新橋の夜
 
 
 
日本橋で地下鉄ギンガ線に乗り換えて、 2光年ほど。
左の耳の出口を出たところが
シンバシ。


駅前広場じゃ
闇が街に溶け出して、あたふたの黄昏。

そんなドサクサにまぎれて逃げ出すから
ソラはずるい。

しらばっくれて
夜に抱きしめられるフリして。

僕の頭上で
へぇ、もう流し目で浮かんでる。

さっきまで地下のベッドで
クネクネ目を回してたくせにさ。
 
 
早く、早く、早く。
 
 
僕は学校に行かなくちゃ。

日比谷通りを飛び越えると
西新橋のドギマギした光のかたまり。

会社とか政治とか商売とかが詰まった
リアルとかいう
コンクリートの箱がぎゅうぎゅう。
 
 

 

 
 
 
 
 
 
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(2004)夢をこぼしたら、ちゃんとかたづけなさい!
~ 一千一秒、耳の中ピクニック
 
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