ウチューのトチュー ~  池田モノリス -69ページ目

(1051)雨音はショパンの調べ…台風接近!




ウチューのトチュー ~  池田モノリス-スカスカでおセンチな三日月


(1051
雨音はショパンの調べ

ウチューのトチュー ~  池田モノリス


銀座通りをワニさんの背中に乗って
モヤモヤの川面みたいに
端っこの8丁目まで流れて行くと
レコードとかエレクトーンとか売ってる
ヤマハの細長い入り口に着いた。

Purple haze all in my eyes
Don't know if it's day or night

♪ねぇ、この景色ってさ。
誰かの、ただの想像力なんだろ。

You got me blowin', blowin' my mind
Is it tomorrow, or just the end of time?

♪目は快楽、それとも、この世の終わり?
一体の誰の耳の穴に入ったんだろう。

ポトン、ポトン。

舗道にいやなシミが付き始めている。
ソラが雨漏りしてるんだか、
汗を垂らしてるんだか。

銀座はカサもささず、少しずつ濡れ始めている。


3階じゃギターなんかの売り場もあって
その奥にパールスタジオっていう
バンドのリハーサル室がある。

「あ、ベースの人、さっきから待ってるよ」

ミシミシ!って防音ドアを開けると
ケイオンの部室みたい。黒板もあるし。
あ、ウズマキ荘よりは相当広いけど。

洋服ダンスみたいなベースアンプの前に
暑苦しいロン毛がモゾモゾ。

グレコのでっかいエレキベースを
小型ロケット砲みたいに担いだ背中がクルリ。

「あ、遅いよ。モノリスさん」

ライオン丸が
髪をかき分け顔を突き出した。

「あ、紹介しとくね。
ドラムやってくれるワニグチさん」

「よろしく。オイラ今、業務の途中。
だから、あんまり時間ない」

ドスン、ドスン。

ちょっと火星ナマリのバスドラ作業。
採掘場のスコップみたいなビートだけど

ブ~ン、ブ~ン。

ライオン丸の獣低音とは
野性が響き合って、わりと気分はいい。

「生ギターとベースとドラムは
何とかでっち上げたけど。
あとはジミ・ヘンみたいな
サイケなエレキギターだなぁ…」

チューニングしながら
ブツブツつぶやいてたモノリスが

「そうだ。ショパンさ、キーボード弾いてよ」

って、スタジオの隅っこにある
ヤマハのシンセを見つけて
オレに言った。

「え?そんな話、聞いてないよ」

それよりさ…ショパンって一体ダレ?

…オレのこと?

ええっと…コンパスとかいう名前は
そうだ、さっき
ワニさんのタクシーの中に落として来た。

「何ミリかセカイがズレた」

ってモノリスが気付いたけど、
あんまり運転が荒っぽいから
もしかしたら10センチ以上かもしれない。

台風が近づいてるんだろうか?



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ウチューのトチュー 1テラ1ナノ物語



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目次-1  目次-2  目次-3  ■
■プロローグ■
■第1章■
■第2章■
■第3章■
■第4章■
■第5章■
■第6章■




↙ 左下「同じテーマの記事」参照


(1050)パープル・ヘイズ・ハイウェイ




ウチューのトチュー ~  池田モノリス-スカスカでおセンチな三日月
(1050
パープル・ヘイズ・ハイウェイ

ウチューのトチュー ~  池田モノリス


Purple haze all in my brain
Lately things just don't seem the same

♪脳みその中はケムリでもやもやしている
どうも様子が前とは違う。

ガタンゴトン

ワニさんの運転が荒っぽいから
カーラジオの曲も吹っ飛ぶし
僕のギターケースも運転席の背中にぶつかる。

「あれ?モノリス。今日ギターとか持ってたっけ?」

え? ああ、そう言われれば、どうだったんだろう。
コンパスと正門前で待ち合わせした時、
僕はショルダーバッグを肩からぶら下げていた。
それは覚えている。

でも、ワニさんのタクシーのドアが開いて
中にヨイショって座る時
座席の下の床に
僕はこのギターケースを置いた。

「マボロシがさ、ガタンゴトン音を立てるワケない」

Actin' funny, but I don't know why
Excuse me while I kiss the sky

♪もしかしたらヘンなことをしたりするけど
自分でもワケが分らからないんだ。
ちょっと失礼、ソラにキスするから。

僕は暑苦しくなって
ハンドルをクルクル回して窓を開く。


ウチューのトチュー ~  池田モノリス


ズラリと並んだ早稲田通りは
向かいの座席に座った
ワンピースのお姉さんのように足を絡めて
僕をじ~っと眺めている。

この間の午後、飛行船が墜落して
僕が逃げ込んだ地下鉄。
あの時のギンガ線と同じだ。

「なんだか空気がヌルヌルしてない?」

コンパスはハンカチで汗を拭う。

「だからオイラ達を乗せたタイヤも時々
ツルツル滑りそうになる」

ワニさんがカーラジオのボリュームを上げる。

Purple Haze all around
Don't know if I'm comin' up or down

♪まわりは全部ケムってもやもや
発射してるのやら墜落してるのやら見当もつかない

ウチューのトチュー ~  池田モノリス


ワニグチさんがタクシーのドアを開いた時
セカイが何ミリかズレたんだと思う。

Am I happy or in misery?
What ever it is, that girl put a spell on me

♪この世は快楽、それとも悲惨?

ねぇ、この景色ってさ。
誰かの、ただの想像力なんだろ?

バタバタ。

頭の上の空気が
何か羽音みたいにうるさい。

♪キースはトカゲで、ミックはイグアナ。
ブライアンはシマリスで、ビルはアライグマ…
だよね?ワニのチャーリーさん。

コンパス、それ何の歌?


「そうだ、まだ行き先を聞いてなかった」

分厚い背中がピクッと尋ねる。

「銀座8丁目のヤマハ楽器まで、お願い」

キキーッ

ゴツゴツした手首がが急ハンドルを切る。

ワニグチさんがスカートはいたら
セクシーなのだろうか?


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 --------------- 第1章・1969 --------------

(1049)もし僕がルージュ付けて、花柄のワンピ着て、
ハイヒールで空き缶とか蹴飛ばしたら

*このページは第1章
(1050)パープル・ヘイズ・ハイウェイ

(1051)雨音はショパンの調べ

★今回までの第1章ダイジェストは

(5045)耳の中ナビ1~出口はどっち?入口はあっちっちこっち!

Part・2>
(5046)耳の中ナビ2~ゆるんだネジみたいに、
ケガした景色がポタポタ吹っ飛んで。


--------------- 第5章・2011--------------

*この第1章とパラレルに第5章を連載中

< 1つ前へ
(5055)一瞬と永遠はグミの舌のように絡み合って、
この世を塞いだりこじ開けたりする。

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(1049)もし僕がルージュ付けて、花柄のワンピ着て、ハイヒールで空き缶とか蹴飛ばしたら




ウチューのトチュー ~  池田モノリス-スカスカでおセンチな三日月
(1049
もし僕がルージュ付けて
花柄のワンピ着て
ハイヒールで空き缶とか蹴飛ばしたら
セカイは一体どんな匂いがするんだろう?

ウチューのトチュー ~  池田モノリス



「ワニグチさん、東京タワーの晩、言ってたよね。
今度生まれ変わったら…」

「ああ、女になりたいなぁ…って。
モノリスさんの彼女のローズさんみたいに
相当な美人になってさ
真っ赤なミニスカートとかでスカしたり」

「ローズさんは彼女なんかじゃないよ。
もう会えなくなっちゃったし」

タクシーの中が、モヤモヤして
くすぐったい。

「火星でオイラが全部なくなった。
なのに、また湧き出た。
新しいオイラは全然別の匂いがする」

ワニグチさんの背中から
言葉がもぞもぞ這い出て来た。

「飛行船が爆発した時のケムリだよ。
そいつがワニさんの体にも染みついてるだけ」


もし僕がさ、ルージュ付けて
花柄のワンピ着て
ハイヒールで空き缶とか蹴飛ばしたら

ねぇ、セカイは一体どんな匂いがするんだろう?

ビュンビュン

パン屋や郵便局やロードショーの看板が
ワニグチさんのハンドルの向こうから
飛び込んでくる。

そいつが僕の脳の中の
ローズさんの記憶に衝突して
バックミラーの中に飛び散って行く。

セカイって、わぁ、ジュースみたいだ。



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 --------------- 第1章・1969 --------------

(1048)火星の採掘場じゃ娯楽と言えば、
夜の人造人間狩りくらい。

*このページは第1章
(1049)もし僕がルージュ付けて、花柄のワンピ着て、
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(1050)パープル・ヘイズ・ハイウェイ

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(1048)火星の採掘場じゃ娯楽と言えば、夜の人造人間狩りくらい。





ウチューのトチュー ~  池田モノリス-スカスカでおセンチな三日月
(1048
火星の採掘場じゃ
娯楽と言えば
夜の人造人間狩りくらい

ウチューのトチュー ~  池田モノリス


「いいよ。オイラ、タイコ叩くよ」

ワニグチさんが、ゴツゴツした指を
ポキリと鳴らして
でっかいアゴをニヤッってゆるめた。

「ワニさん、チャーリー・ワッツに似てる。
ねぇ、ストーンズって、好き?」

僕はすごくうれしくなって尋ねたけど。

「聴いたことない。まだこの星に来たばかりだから。
あ、お二人さん、オイラのタクシーに乗っけてくよ」

♪But it's alright, now
in fact it's a gas!

「ね、モノリスさ。チャーリーもそうだけど
キースもミックも、爬虫類の仲間だと思う」

コンパスは、カーラジオのストーンズに会わせて
ショルダーバッグを叩いている。

「火星の採掘場じゃ…
娯楽と言えば、夜の人造人間狩りくらいでね」

ワニグチさんが背中越しにしゃべり出す。

「だから、
ソラから隕石が降って来たあの午後は、
とてもワクワクした」

重いビートを叩き出せそうな
分厚い筋肉が
ハンドルに合わせてピクピク動く。

「地面がグラグラ割れた時、分かったんだ。
オイラが全部、終わるんだ!って。

ずっとずっと、オイラは絶望していた。
だけど一体何に絶望しているのか
とんと分からなかった。


きっと火星の採掘場を退所した日…
オイラの過去の人生の記憶を
全部削除されたからだと思う。

ただ問題がひとつ。

ただ担当の操作ミスで
絶望の感覚だけが
オイラの記憶回路に残ったままだった」


キキーッ!

フロントガラスに早稲田通りが
ビュンビュン衝突して

僕とコンパスとワニグチさんが
詰まったタクシーのボディに切り裂かれて
両脇に飛び散って行く。

「だけどね、あの隕石の日に…
オイラが全部、その絶望ごと
終わってしまったんだよ」

ビュン!

ワニグチさん、トバし過ぎ!


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 --------------- 第1章・1969 --------------

(1047)ティラノサウルスのキス

*このページは第1章
(1048)火星の採掘場じゃ娯楽と言えば、
夜の人造人間狩りくらい。

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ブログ記事一覧リスト






(1047)ティラノサウルスのキス



ウチューのトチュー ~  池田モノリス


僕が恐竜だった夏の午後
ソラが
イカレた隕石みたいに
降り注いできた。

チェッ!

セカイって
土砂降りのジュースみたいに
こぼれてしまう。

ティラノサウルスが
舌打ちする


ウチューのトチュー ~  池田モノリス


じゃ、どんなふうに
この世は
湧き出て来るんだろう?

ジャーン~!てさ

エレキギターで
僕は何のコードを弾けば
いい?




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(1047
ティラノサウルスのキス

(1046)デモ隊も機動隊も、まるで1光年先の
穴っぽこに向けて演奏している。(2月21日)

の続き… WOW! 3ヶ月ぶり。

気が向いたら前のところも。



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キキーッ!

早稲田通りに出て東西線の入り口へ
向かって歩いてたら
タクシーが僕とコンパスの横で急停車して
運転席の窓がポッカリ開いた。

「ねぇ、モノリスさんだよね。
ほら、この間の晩、連れの相当きれいな女の人が
あ、ローズさんだっけ、
クルマの中でそう呼んでたから。
ほら、東京タワーのとこで
オイラのタクシーに乗ったでしょ。
やっぱ、覚えてないかな」

窓から顔を突き出して
しゃべり続ける巨大なアゴ。
ちょっと火星ナマリ。

「オイラ、あの晩、浜松町を流してたら
大きな飛行船が落ちてきて。
そこでヘンなカップルをさ
あ、モノリスさん達だけど、拾って走り出したら
フロントガラスに
何かヘンなムシがビュンビュンぶつかって」

手袋の下からのぞくゴツゴツした手首。
見覚えがある。

「あ、ワニグチさんだっけ」



ウチューのトチュー ~  池田モノリス


大隈講堂に飛行船がツイラクした午後、
ローズさんとタワーでデイトした夜。
あれは一週間前のリアル?
それとも10秒前の幻覚だろうか。

♪But it's alright, now
in fact it's a gas!

あの晩と同じ曲が
カーラジオから流れている。

♪But it's alright,
I'm Jumping Jack Flash,
It's a gas,gas,gas!

♪まじヤバいよ。冷や汗みたいに、良い気分。
ソラもオイラも、スカスカで。

ワニグチさんは勝手に日本語に訳して
あの晩と同じ鼻歌。

「僕たちね、これからスタジオに
バンドの練習に行くんだけど
・・・
ねぇ、ワニグチさん、
ドラムやんない?」



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 --------------- 第1章・1969 --------------

(1046)デモ隊も機動隊も、まるで1光年先の
穴っぽこに向けて演奏している。

*このページは第1章
(1047)ティラノサウルスのキス

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(5046)耳の中ナビ2~ゆるんだネジみたいに、
ケガした景色がポタポタ吹っ飛んで。



--------------- 第5章・2011--------------

*この第1章とパラレルに第5章を連載中

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