ウチューのトチュー ~  池田モノリス -428ページ目

(1033)東京タワーはミサイルみたいにキスするけど、ソラはコーフンもできない意気地無し。




 

ウチューのトチュー ~  池田モノリス-スカスカでおセンチな三日月
(1033)
東京タワーはミサイルみたいにキスするけど、
ソラはコーフンもできない意気地無し。
 
ウチューのトチュー ~  池田モノリス-東京タワーのミサイル・キッス
 
 
東京タワーはソラとキスするみたいに
ビリビリと交信を続けている。

きっと、僕とローズさんの時間を吸い込んで
ミサイルのように発射しているんだと思う。
そこは、すごく遠い場所なんだろうか?

「そうだわ、私たち。
どこか別の夜ですれ違った時のために、
合い言葉を決めておかなくちゃ」

「合い言葉?」

ローズさんの唇が僕の質問を塞いだ。

「あ」

柔らかくって息が出来なくなる。

わぁ、キスすると入口と出口がくっつくんだ。
湿ったトンネルの中を
僕とローズさんの呼吸が絡まって回り続ける。

ウェーブした髪の茶色い香りが鼻の奥から流れ込んで
僕の頭の中に溢れてきた。

「この匂いが、合い言葉よ」

「匂い?」

「そう、この夜の匂い。
私とモノリスと東京タワーで出来た
ナツのトンネルの匂い」

ローズさんの赤い唇は
ちょっぴり湿ったドアだ。
コトバに絡まるように
汗ばんで蒸し暑い夏が漏れ出して来る。
 
 
 
ウチューのトチュー ~  池田モノリス-モノレールの夜

「じゃ、私、帰る。
ここからモノレール」


大学はロックアウト。
デザイン学校は閉校。
ローズさんはモノレールの中。

ドアが開いたり、すぐ閉じたり。

早く、早く、早く。

入口と出口のスキマに
僕のTシャツのスソが挟まってるから
足がもつれそうになって思うように動けない。

東京タワーだって、きっと今夜は
ソラとキスしたいんだって思う。

僕も、ローズさんも、タワーも
みんな死ぬほど本気なのに

ソラはコーフンもできない
意気地無し。



プシュー。


モノレールのドアが閉まりかけた時
ローズさんが振り返って聞いた。

「ねぇ、モノリス。

私って、先週さ
 
ううん、さっき…
 
本当に、いた?」
 




 

 
 
 
 
 
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