作者:高階秀爾
出版社:河出文庫(横浜市立図書館)

近代の黎明に生きた人々の姿を描くエッセイ。

そのような状況の中で、ルカは可能な限り自分を傍観者の立場に置こうとしていたようにみえる。それは、あえて中立を守るというような政治的立場では無論なかった。彼に取って守るべきものはあくまで自分の生活であった。(一市民の日記)

学問も、北方では思弁的性格が強く、半島では実際的性格が強い。
水から優れた神学者でありながら、極めて実際的精神に富んでいたロッテルダムのエラスムスが、パリの知的世界に死ぬほどの嫌悪を抱き、逆にイタリアの仲間に強い親近感を覚えたのも、理由のないことではない。(学者たちの世界)

アグリッパはその中で、憂鬱質の優れた特性は、人間の三つの能力、即ち想像力、知性、精神のいずれかを通って表れるとし、それぞれ、芸術家、哲学者、神学者の活動に相当すると考えた。(人相学--四性論と動物類推)