作者:大泉黒石
出版社:緑書房(横浜市立図書館)

大泉黒石全集3
大泉黒石が書く老子の世界の続編。老子にもし子供がいたら、そしてその子供が俗な権力欲に取りつかれた人生を送っていたら、老子はどんな親子関係を築くだろうか、そして老子の生き方を描く。

その人の心が。脇の人々に比べて、鋭いとか鈍いとか、明るいとか暗いとか、黒いとか白いとかいうふうに目立って見えるようではだめだよ。わけ隔てのないように思われるところまで、みんなと一所に同化んでいなくちゃね。

母親にしろ、誰にしろ、結局自分ではないのだから、これが当たり前の話だ。彼らは母親がいけなくなれば、彼女の死骸を、墓へ運ぶことさえ厄介だと思うだろう。彼らは多分愛していたに違いない母親と、どこまでも道連れになるものではない。

彼を置き去りにしたのは、人間ではない。「時」なのだ。
→その人が古臭いのだの能力が低いだのという事ではなく、関係が薄くなってしまえば忘れ去られてしまう。それが人間の持つ「時」というものだろう。