作者:鶴見和子
出版社:藤原書店(横浜市立図書館)

各々の内発的発展を曼荼羅の中に配置し、近代化論を乗り超えるべく提唱した「内発的発展論」。強者-弱者、中心-周縁、異物排除の現状と果敢に闘い、社会のまったく独自な未来像を描いた、稀有な思想家の最後のメッセージ。(「MARC」データベースより)

足跡を残して地上を去るということです。その足跡の積み重が人間の歴史になるんですね。
自分の文明が一番いいから、これを世界中に広げてやるとなると、攻撃主体の文明自体の自殺行為なんです。
どうやってぼけないですむかということを、毎日研究しているんです。そうしますと、毎日歩いていると魂が活性化してくるの。生き生きしてくるの。
仏教は因縁を説く。因は因果律--必然性--であって、縁は偶然性である。したがって科学の方法論としては、仏教のほうがニュートン力学を越えていると喝破したのである。(南方熊楠について)
生物の種の多いところほど、静物の生き易い強い場所だと結論付けた。そして、文明、文化についても、同じことが言えると主張した。(クストーについて)

巻末にある、緒方貞子さんとの対談をみていると、鶴見和子さんは怖いもの無しの元気な御婆さん。緒方さんは、やはり現実派の理性的な外交官という感じがした。