作者:四方田犬彦
出版社:新潮(2007年3月号)

四方田犬彦の大学での師となる、由良君美の長編評論。
ちょうど、読む本が切れたので、なんとなく買った「新潮」。島本理生の「あなたの呼吸が止まるまで」に続いて、なんとなく読み出した。最初は、由良君美の評伝かと思っていたが、1970年代を代表するサブカルチャーの研究者たちの動向、人間の欲望といった性。そして研究している西洋の近代思想史。さらには、由良君美の父親が発掘していた、昭和初期の幻想小説作家 大泉黒石(大泉晃の父)。

最後には、師と弟子の関係から、キリストとユダ、法然と親鸞、夏目漱石の「こころ」などなど、これこそ教養ある人なのだろうと、少し憧れてしまった。

ハイデッカとかベルグソンなんて出てくると、とても私にはついてゆけないのだが、とても読みやすく、人文的教養ここにありと思え、とても面白かった。ダンテの神曲が読みたくなった。