作者:W・G・ゼーバルト
訳者:鈴木仁子
出版社:白水社(横浜市立図書館)

出版社/著者からの内容紹介
建築史家アウステルリッツは、帝国主義の遺物である駅舎、裁判所、要塞、病院、監獄の建物に興味をひかれ、ヨーロッパ諸都市を巡っている。そして、彼の話の聞き手であり、本書の語り手である〈私〉にむかって、博識を開陳する。それは近代における暴力と権力の歴史とも重なり合っていく。
歴史との対峙は、まぎれもなくアウステルリッツ自身の身にも起こっていた。彼は自分でもしかとわからない理由から、どこにいても、だれといても心の安らぎを得られなかった。彼も実は、戦禍により幼くして名前と故郷と言語を喪失した存在なのだ。自らの過去を探す旅を続けるアウステルリッツ。建物や風景を目にした瞬間に、フラッシュバックのようによみがえる、封印され、忘却された記憶……それは個人と歴史の深みへと降りていく旅だった……。

…仕事しながら読める本では無かった。
作者:フィリップ・クローデル
訳者:高橋啓
出版社:みすず書房(横浜市立図書館)

出版社/著者からの内容紹介
「いずれは大人になる子どもたちのために。そして、かつて子どもたちだった大人たちのために」。最近の子どもたちはお話を鵜呑みにしたりしないが、それでもやっぱり子どもは子ども、かれらなりの苦悩や純真さ、疑問や希望をもっているものである。 
ここにあるおかしくて奇妙な20の物語は、この世界についての詩的な、ときには哲学的な窓を、わたしたちに開いてくれる。この本に出てくるのは、ぶきような妖精、悩み掃除人、悪夢の狩人、人々を幸せにするワクチンを発明する女の子、などなど心やさしい登場人物ばかり。作家フィリップ・クローデルは、慎みぶかく心をこめて、いじめや病気、戦争、死、格差といった、ヘビーで扱いにくいテーマだけでなく、大人になるには克服しなければならない、ささやかな恐怖心やコンプレックスにも取り組んでいる。ベストセラー『リンさんの小さな子』の作者が愛娘に語る、とっておきの20話。ピエール・コップのクレヨン画も、いい感じ。
作者:ディック・フランシス&フェリックス・フランシス
訳者:北野寿美枝
出版社:早川書房(横浜市立図書館)

内容紹介
亡き祖父から受け継ぎ、競馬専門のブックメーカー業を営むネッド・タルボット。女王陛下が観戦する英国最大の競馬レース“ロイヤル・アスコット”の初日、馬券を売っている彼の前に、父親のピーターと名乗る男が現われた。
両親は自動車事故で死んだと祖父母から聞かされていたネッドは、にわかに信用することはできなかった。男は36年前にネッドの母が死んだあと、当時一歳のネッドを残してオーストラリアに渡ったという。その驚くべき話が終わった直後、二人の前に暴漢が出現した。「金はどこだ」とすごむ男に抵抗したピーターは、刺殺されてしまう。
警察のDNA鑑定の結果、ピーターが父親であることが確定するが、同時にネッドは警察から思わぬことを告げられる。ピーターが36年前に妻を殺した容疑者だというのだ。彼はその真偽と父が帰国した目的を探るが、やがて暴漢が父の持ち物を探していることを知る。さらに、別の男が父の持ち物を狙って彼の家に侵入する事件も起きた。父はいったい何をしていたのか? 競馬場内が通信不能になる事件が続発する中、病気の妻をいたわりながら謎を追うネッドに、さらなる苦難が! 知られざるブックメーカー業界の内幕と、錯綜する謎を描く、競馬シリーズ最新作