相の谷古墳の現状報告(3)-半壊状態
現在、愛媛県最大の前方後円墳「相の谷1号墳」は半壊状態です。
40数年前の宅地造成の開発(現在は中止)と、その後の地崩れにより古墳の西方向面はかなり破壊が進んでいて数年後には後円墳そのものが地崩れにより破壊されるかもしれません。
私は、一今治市民として、今治を愛する者として、この地方の歴史の始まりを現在に伝える貴重な文化遺産を後世に伝えるために保存活動を広げていかなければならないと思っています。
先日の「相の谷古墳」に初めて行った帰り途、地元の今治市会議員の木村文広氏にお話を伺いに行った際に驚くような事実を聞かされました。それは次のようなことです。
当時はそこにこのような古墳が存在しているとは知らなかったため、
「宅地造成のため相の谷古墳の西面が削られました。そしてこの時削られた土砂は近見中学校のグランドの拡張整備に利用されたのです。後に近見小学校のグランドの拡張にも利用された。」とのことです。
これを聞いて思い出したことがあります。
確か、私がまだ近見小学校に通っていた小学生の頃のことだったと思いますが、「近見中学校のグランドから埴輪や土器が出てきた」というものです。
そして、「近見中学校の辺りは昔、古墳だったのではないか?」という話です。
この話を当時の小学校の先生から聞いたように思います。
そうではなかったのですね。相の谷古墳の西面の土砂が中学校に運ばれて、埴輪や土器が出てきたのですね。それらは相の谷古墳の遺物だったということなんですね。
この事実を知って本当に驚いたとともに、なんと悲しいことだとも思いました。
地元の本当の史実を知らないということは怖いことだと思いました。
次の写真3枚は宅地造成開発の後の土砂崩れのため削り取られたようになった「相の谷1号墳」西面。
次の写真2枚は今から40数年前に「相の谷1号墳」の発掘調査時に正岡睦夫氏により撮影された貴重な写真です。(愛媛県歴史文化博物館資料目録第16集「今治市相の谷1号墳出土遺物」より)




