高スペックの持ち主
そしていまいち私のことを好きでもない石原さん。


好意を持ってくれているのはわかる。
それはとってもありがたいし、嬉しい。
努力家で、基本真面目。
私のことをただの遊び目的でもないのも伝わる。


石原さんは多分、毎日仕事でヘトヘトに疲れている。
バツイチで、小さい頃から温かい家庭の記憶もない。
仕事では足を引っ張る者もいる。
普段からお酒の飲み過ぎで下血しているそう。



「キャピキャピ寄ってくる若い女の子もいるけど
   そういう子たちは自分のことを理解できないから」


私が理解者になるかもと思ってくれたのは
本当に光栄だと思った。


「旅行に誘ったときは、本当に疲れてた。
   何ヶ月ぶりかに休みが取れて
   のんびりできる人と旅行に行きたくなったんだ」


そうだよね。
疲れていたんだよね。
大変だったね。



でも、私たちは付き合ったらきっと
上手くいかないだろう。


連絡のない年下イケメンと付き合うって
なかなかの地獄だと思う。


イケメンではあるが
せっかくの美青年も、お酒の飲み過ぎで
ここ数年で少し、崩れてきていた。


私も老けたけどな!


生活を変えたい、家庭を持ちたい


そういう気持ちが石原さんにあれば
大変でも支えよう、と思ったかも知れない。


でも、それがない。


これで、終わりだな。
今日のデートは私の納得のためでもあった。
高スペックゆえ、執着してしまった。
ごめんなさい。


「私たち、これからも良いお友達でいられるよね。 
   疲れたときはまた、ご飯でも行こうよ。
   あと、身体大事にしてね」


大の男に余計なお世話だろうけど
ほんとに、石原さんには生活を大事にしてほしい。


「うん、話せて良かった」


気まぐれな旅行お誘いが失礼とかはまあ置いておいて
石原さんはずっとニコニコしていて
私に対して礼儀正しい、いい人だった。


今度は手を繋ぐこともなく
電車で雑談をしながら帰って、さよならしました。



あ〜、惜しかったな〜なんて思ったけど
私の中のモヤモヤは、晴れていました。