医師のTさんと最初のデートは新宿で待ち合わせ。
セカンドバッグを持って前に見たときよりちょっと歳な感じもしたけど、服装はごく普通で、やっぱり見た目は好み。

カサッと枯れた美形中年というの?
素敵だ。

彼の決めてくれたイタリア料理へ向かう。

動きが機敏な人だとは思っていたけど
歩くのが速い!速い!
機敏にも程がある!


新宿で撒かれそうになる


人混みを器用に縫い突進するように歩いていく彼。
2人用じゃなく、1人用の歩き方。
数十メートルおきに私が付いて来ているか、
一瞬振り返って遠方から確認している。
他人から見たら、連れだとは見えない距離が寂しい。


今まで1人だったから仕方がない。
我慢だ…!
だって好条件なのだから…!


小走りで追いつき、無事撒かれずにレストランにたどり着く。


ふー。


老舗のイタリア料理屋さん。
こぢんまりとして落ち着いた雰囲気。

こちらに来てくれたお礼を言い
しばしおしゃべり。

車が好きらしく、愛車はオープンカー。
医師になってから購入したらしい。
しかし、彼の勤める地域は雪が降るけど大丈夫か。

Tさんは実家が裕福ではなく
奨学金で医学部に入り直したそう。

奨学金の返済で
自分は本当にお金がない、と言う。


…オープンカー売れば?


と思ってしまった私(毒)。

私は、軽でも、自分の身の丈に合った車に乗る方が
ずっと上等だと思う派。
しかもまだ新米で、これから発展していくところなんだし。

いやいや、今まで勉強漬けの生活で
そういう夢をまずは叶えたかったのだろうな。
と、良い方に解釈しなくてはと自分をなだめる。

その後は

「2時間しか寝てない」
「ほら、俺医者だからさ、大変で」


ちょっとだけども
自分に酔ってる?
カッコつけてる?
寝てない自慢てこっぱずかしいよ〜。


いやいや、苦労して医者になり、嬉しいのだろう。
ちょっとぐらいの自慢がなにさ。
そのうち落ち着くだろう。
善意に解釈、解釈。


私の話をしてみても

「へーそうなんだ」

一言で終わり、またTさんの会話になる。

聞き役に徹するしかない会話に
楽しくないなーと思いながらももう
すごいですね〜、大変ですね〜を繰り返す私。



お茶に移動☕️

「カプセルに泊まって、明日早く帰るよ」

「お忙しいのに、本当にありがとうございました」

「…今日、ホテル行こうか?」

はい?