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Flying Dutchmanのブログ

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「歴女」の話でも少し触れたように、最近、「幕末のお話、特に新撰組が

好き~♪」とか「ゲーム『三国無双』にはまってま~す♪」とか中には

「真田幸村LOVE♪(実際彼がイケメンだったという史実はないと思う)」な

どと、女子が語るのをよく見聞きする。
私の偏見なのかもしれないが、彼女たちの話の中には他の同性と自分と

を差別化したい願望が、つまり「私、男子が好むような趣味をもってるの。

少し変わってるでしょ?」「他の女子はわかってくれないけど、私、実はマ

ニアックなのよ。」のようなニュアンスが含まれているのではないかと感じ

ることがある。


私は歴史シミュレーションゲームのファンで、マニアとまではいかないま

でも、歴史が好きだ。だから、歴史絡みの話題ならば、つい耳をそばだて

てしまうのだけれど、彼女たちがはまっているモノは私が趣味としている

「歴史」とはどうやら無縁のモノらしい。彼女たちの語る(かつて、コーエー

の株主であった私が言うのも気が引けるが)「三国無双」「戦国無双」とや

らのゲームは、ビジュアル重視で演出過剰の歴史とはかけ離れた架空

の格闘ゲームなのだ。実のところ、それらは三国時代や戦国時代などの

歴史事実とは関係のない漫画やアニメの類なのである。
もっとも、史実とフィクションの差は確かに曖昧ではあるし、日本において

は、そういったジャンルのゲームが売り上げを現にのばしているわけで、

ビジネスとして、あるいはマーケティング的に成功していることに対して非

難するつもりはない。それはそれでいいのだ。面白いのだから。


しかし、私のようなパソコンが普及する以前、ボードゲーム時代からのシ

ミュレーションゲームファンにとって、アーケードゲーム的要素には余り

興味が持てないのである。


私が最初にパソコン・ゲーム機用のゲームソフトを手に入れた時、まず

感激したのは「これでサイコロ振りから開放される。」「これで無理に対戦

相手を探さずにすむ。」ということだった。とにかく、パソコンはその高速高

度な演算能力が一番のセールスポイントなわけだから、様々な演算が必

要とされるシミュレーションゲームには打ってつけだと思ったのだ。

(シミュレーションゲームは、天気予報とかSPEEDYによる放射能汚染予

測などと同様の、もちろん性能は格段に違えども、能力を要するものと

私は考えている)
そして、一見複雑とも思われる運動も、わずか数種の法則性を入力する

事によってこれを見事に再現できることが発見され、この原理をゲームに

適用することで、時間的推移をよりリアルに描写することが可能となった

のである。
かくして、今までは教科書に記述された事実の羅列をただ辿るしかなかっ

た歴史というものが、まるで映画や小説から得られるような、動的な歴史

いわば歴史のうねりとして体感できることになった。
例えば、「ゲルマン民族の大移動と西ローマ帝国の崩壊の関連性」「東

ローマ帝国の歴史的意義」「モンゴルインヴェージョンのヨーロッパにおけ

る影響」「キリスト・イスラムの宗教対立」「宗教騎士団の意義」…等、様々

な示唆を、ゲームの結果から得る事ができるようになったのだ。
さらには、絶対王政と重商主義政策、立憲主義と啓蒙君主、産業革命と

福祉政策など一見抽象的な政治的・経済的問題を為政者の立場からよ

り身近に感じることができるようになり、また、パラメーターを様々に変更

することで条件の相違が、歴史にどのような影響を与えたかを検証する

ことも可能になったのである。


以上の事から想像できるように、歴史シミュレーションゲーム殊に欧州製

のそれは、政治・経済・軍事・哲学等のアカデミックな研究がベースにな

っているようだ。これらのゲームは開発の段階で、国立公文書館や博物

館等の協力を得ているのだろう。また、それが一定のロジックの下に統合

されているのではないかとも思われる。

それ故、このようなゲームに一度魅了されると、実際のプレイ時間よりも

むしろ関連書籍を読み込む方に時間がとられることになる。気取った言葉

を使わせてもらうなら、それほど知的好奇心を掻き立てられるのである。

『たかがゲーム、されどゲームなのだ。』


その点、日本には、ゲームをアカデミックな問題を考える為のツールとし

て捉える、そんな土壌がないように思われる。
ゲームといえば、子どものオモチャであり、大人がプレイする場合があっ

たとしても、それは孫のお相手であったり、せいぜい童心に返って遊びま

しょう、といった程度にしか考えられていない。
日本製のゲームには、上に述べたような私が好きなコンセプトのゲーム

があまりにも少ない。寂しい限りである。
いつか歴史シミュレーションゲームをプレイする事で気づかされた政治

的・経済的問題について書くことができればいいのだが、(例えばフランス

革命とアメリカの独立戦争、あるいはナポレオンは本当に軍事的天才な

のか?とか、興味深い論題はあるんだけど)まとめるのが大変そうだし、

そこまで話を広げると、到底ブログに収まりそうにない。困った。


P.S.

因みに、私がはまってるもしくは言及している欧州製ゲームとは主に

SEGA Europeの 『Total War』 シリーズ、

Paradox Interactiveの 『Hearats of Iron』 シリーズのです。