イエスさまのエルサレム入城から十字架、埋葬、よみがえりまでの流れが分かるように、私なりに、聖句をまとめてみました。

(※2月14日から3月31日まで、毎日のみことばで掲載するものと同じものです。)

 

 

 

■マタイの福音書 (마/Matt) 21:1-4

1.さて、彼らがエルサレムに近づき、オリブ山沿いのベテパゲに着いたとき、イエスはふたりの弟子をつかわして言われた、

2.「向こうの村へ行きなさい。するとすぐ、ろばがつながれていて、子ろばがそばにいるのを見るであろう。それを解いてわたしのところに引いてきなさい。

3.もしだれかが、あなたがたに何か言ったなら、主がお入り用なのです、と言いなさい。そう言えば、すぐ渡してくれるであろう」。

4.こうしたのは、預言者によって言われたことが、成就するためである。

(イザ62:10-12)

 

▶ゼカリヤ書 (슥/Zech) 9:9-12

9.シオンの娘よ、大いに喜べ、エルサレムの娘よ、呼ばわれ。見よ、あなたの王はあなたの所に来る。彼は義なる者であって勝利を得、柔和であって、ろばに乗る。すなわち、ろばの子である子馬に乗る。

10.わたしはエフライムから戦車を断ち、エルサレムから軍馬を断つ。また、いくさ弓も断たれる。彼は国々の民に平和を告げ、その政治は海から海に及び、大川から地の果にまで及ぶ。

11.あなたについてはまた、あなたとの契約の血のゆえに、わたしはかの水のない穴から、あなたの捕われ人を解き放す。

12.望みをいだく捕われ人よ、あなたの城に帰れ。わたしはきょうもなお告げて言う、必ず倍して、あなたをもとに返すことを。

 

■ルカの福音書 (눅/Luke) 19:35-38

35.そしてそれをイエスのところに引いてきて、その子ろばの上に自分たちの上着をかけてイエスをお乗せした。

36.そして進んで行かれると、人々は自分たちの上着を道に敷いた。

37.いよいよオリブ山の下り道あたりに近づかれると、大ぜいの弟子たちはみな喜んで、彼らが見たすべての力あるみわざについて、声高らかに神をさんびして言いはじめた、

38.「主の御名によってきたる王に、祝福あれ。天には平和、いと高きところには栄光あれ」。

(詩篇 (시/Ps) 118:26-29)

 

■マルコの福音書 (막/Mark) 14:3-9

3.イエスがベタニヤで、らい病人シモンの家にいて、食卓についておられたとき、ひとりの女が、非常に高価で純粋なナルドの香油が入れてある石膏のつぼを持ってきて、それをこわし、香油をイエスの頭に注ぎかけた。

4.すると、ある人々が憤って互に言った、「なんのために香油をこんなにむだにするのか。

5.この香油を三百デナリ以上にでも売って、貧しい人たちに施すことができたのに」。そして女をきびしくとがめた。

6.するとイエスは言われた、「するままにさせておきなさい。なぜ女を困らせるのか。わたしによい事をしてくれたのだ。

7.貧しい人たちはいつもあなたがたと一緒にいるから、したいときにはいつでも、よい事をしてやれる。しかし、わたしはあなたがたといつも一緒にいるわけではない。

8.この女はできる限りの事をしたのだ。すなわち、わたしのからだに油を注いで、あらかじめ葬りの用意をしてくれたのである。

9.よく聞きなさい。全世界のどこででも、福音が宣べ伝えられる所では、この女のした事も記念として語られるであろう」。

 

▶箴言 (잠/Prov) 28:11-14

11.富める人は自分の目に自らを知恵ある者と見る、しかし悟りのある貧しい者は彼を見やぶる。

12.正しい者が勝つときは、大いなる栄えがある、悪しき者が起るときは、民は身をかくす。

13.その罪を隠す者は栄えることがない、言い表わしてこれを離れる者は、あわれみをうける。

14.常に主を恐れる人はさいわいである、心をかたくなにする者は災に陥る。

 

■ヨハネの福音書 (요/John) 13:4-7

4.夕食の席から立ち上がって、上着を脱ぎ、手ぬぐいをとって腰に巻き、

5.それから水をたらいに入れて、弟子たちの足を洗い、腰に巻いた手ぬぐいでふき始められた。

6.こうして、シモン・ペテロの番になった。すると彼はイエスに、「主よ、あなたがわたしの足をお洗いになるのですか」と言った。

7.イエスは彼に答えて言われた、「わたしのしていることは今あなたにはわからないが、あとでわかるようになるだろう」。

(ルカの福音書 (눅/Luke) 12:35-40)

 

■ヨハネの福音書 (요/John) 13:14-17

14.しかし、主であり、また教師であるわたしが、あなたがたの足を洗ったからには、あなたがたもまた、互に足を洗い合うべきである。

15.わたしがあなたがたにしたとおりに、あなたがたもするように、わたしは手本を示したのだ。

16.よくよくあなたがたに言っておく。僕はその主人にまさるものではなく、つかわされた者はつかわした者にまさるものではない。

17.もしこれらのことがわかっていて、それを行うなら、あなたがたはさいわいである。

(Ⅰテモテへの手紙 (딤전/1Tim) 4:12-13, Ⅰペテロの手紙 (벧전/1Pet) 5:2-4)

 

■ルカの福音書 (눅/Luke) 22:15-22

15.イエスは彼らに言われた、「わたしは苦しみを受ける前に、あなたがたとこの過越の食事をしようと、切に望んでいた。

16.あなたがたに言って置くが、神の国で過越が成就する時までは、わたしは二度と、この過越の食事をすることはない」。

17.そして杯を取り、感謝して言われた、「これを取って、互に分けて飲め。

18.あなたがたに言っておくが、今からのち神の国が来るまでは、わたしはぶどうの実から造ったものを、いっさい飲まない」。

19.またパンを取り、感謝してこれをさき、弟子たちに与えて言われた、「これは、あなたがたのために与えるわたしのからだである。わたしを記念するため、このように行いなさい」。

20.食事ののち、杯も同じ様にして言われた、「この杯は、あなたがたのために流すわたしの血で立てられる新しい契約である。

21.しかし、そこに、わたしを裏切る者が、わたしと一緒に食卓に手を置いている。

22.人の子は定められたとおりに、去って行く。しかし人の子を裏切るその人は、わざわいである」。

 

■ヨハネの福音書 (요/John) 13:31-35

31.さて、彼[ユダ]が出て行くと、イエスは言われた、「今や人の子は栄光を受けた。神もまた彼によって栄光をお受けになった。

32.彼によって栄光をお受けになったのなら、神ご自身も彼に栄光をお授けになるであろう。すぐにもお授けになるであろう。

33.子たちよ、わたしはまだしばらく、あなたがたと一緒にいる。あなたがたはわたしを捜すだろうが、すでにユダヤ人たちに言ったとおり、今あなたがたにも言う、『あなたがたはわたしの行く所に来ることはできない』。

34.わたしは、新しいいましめをあなたがたに与える、互に愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互に愛し合いなさい。

35.互に愛し合うならば、それによって、あなたがたがわたしの弟子であることを、すべての者が認めるであろう」。

 

■マルコの福音書 (막/Mark) 14:27-31

27.そのとき、イエスは弟子たちに言われた、「あなたがたは皆、わたしにつまずくであろう。『わたしは羊飼を打つ。そして、羊は散らされるであろう』と書いてあるからである。

28.しかしわたしは、よみがえってから、あなたがたより先にガリラヤへ行くであろう」。

29.するとペテロはイエスに言った、「たとい、みんなの者がつまずいても、わたしはつまずきません」。

30.イエスは言われた、「あなたによく言っておく。きょう、今夜、にわとりが二度鳴く前に、そう言うあなたが、三度わたしを知らないと言うだろう」。

31.ペテロは力をこめて言った、「たといあなたと一緒に死なねばならなくなっても、あなたを知らないなどとは、決して申しません」。みんなの者もまた、同じようなことを言った。

 

■ルカの福音書 (눅/Luke) 22:35-38

35.そして彼らに言われた、「わたしが財布も袋もくつも持たせずにあなたがたをつかわしたとき、何かこまったことがあったか」。彼らは、「いいえ、何もありませんでした」と答えた。

36.そこで言われた、「しかし今は、財布のあるものは、それを持って行け。袋も同様に持って行け。また、つるぎのない者は、自分の上着を売って、それを買うがよい。

37.あなたがたに言うが、『彼は罪人のひとりに数えられた』としるしてあることは、わたしの身に成しとげられねばならない。そうだ、わたしに係わることは成就している」。

38.弟子たちが言った、「主よ、ごらんなさい、ここにつるぎが二振りございます」。イエスは言われた、「それでよい」。

(ルカの福音書 (눅/Luke)12:31-34、エペソ人への手紙 (엡/Eph)6:12-17)

 

■マルコの福音書 (막/Mark) 14:32-42

32.さて、一同はゲツセマネという所にきた。そしてイエスは弟子たちに言われた、「わたしが祈っている間、ここにすわっていなさい」。

33.そしてペテロ、ヤコブ、ヨハネを一緒に連れて行かれたが、恐れおののき、また悩みはじめて、彼らに言われた、

34.「わたしは悲しみのあまり死ぬほどである。ここに待っていて、目をさましていなさい」。

35.そして少し進んで行き、地にひれ伏し、もしできることなら、この時を過ぎ去らせてくださるようにと祈りつづけ、そして言われた、

36.「アバ、父よ、あなたには、できないことはありません。どうか、この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしの思いではなく、みこころのままになさってください」。

37.それから、きてごらんになると、弟子たちが眠っていたので、ペテロに言われた、「シモンよ、眠っているのか、ひと時も目をさましていることができなかったのか。

38.誘惑に陥らないように、目をさまして祈っていなさい。心は熱しているが、肉体が弱いのである」。

39.また離れて行って同じ言葉で祈られた。

40.またきてごらんになると、彼らはまだ眠っていた。その目が重くなっていたのである。そして、彼らはどうお答えしてよいか、わからなかった。

41.三度目にきて言われた、「まだ眠っているのか、休んでいるのか。もうそれでよかろう。時がきた。見よ、人の子は罪人らの手に渡されるのだ。

42.立て、さあ行こう。見よ。わたしを裏切る者が近づいてきた」。

 

■ルカの福音書 (눅/Luke) 22:39-46

39.イエスは出て、いつものようにオリブ山に行かれると、弟子たちも従って行った。

40.いつもの場所に着いてから、彼らに言われた、「誘惑に陥らないように祈りなさい」。

41.そしてご自分は、石を投げてとどくほど離れたところへ退き、ひざまずいて、祈って言われた、

42.「父よ、みこころならば、どうぞ、この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしの思いではなく、みこころが成るようにしてください」。

43.そのとき、御使が天からあらわれてイエスを力づけた。

44.イエスは苦しみもだえて、ますます切に祈られた。そして、その汗が血のしたたりのように地に落ちた。

45.祈を終えて立ちあがり、弟子たちのところへ行かれると、彼らが悲しみのはて寝入っているのをごらんになって

46.言われた、「なぜ眠っているのか。誘惑に陥らないように、起きて祈っていなさい」。

 

■ヨハネの福音書 (요/John) 18:2-9

2.イエスを裏切ったユダは、その所をよく知っていた。イエスと弟子たちとがたびたびそこで集まったことがあるからである。

3.さてユダは、一隊の兵卒と祭司長やパリサイ人たちの送った下役どもを引き連れ、たいまつやあかりや武器を持って、そこへやってきた。

4.しかしイエスは、自分の身に起ろうとすることをことごとく承知しておられ、進み出て彼らに言われた、「だれを捜しているのか」。

5.彼らは「ナザレのイエスを」と答えた。イエスは彼らに言われた、「わたしが、それである」。イエスを裏切ったユダも、彼らと一緒に立っていた。

6.イエスが彼らに「わたしが、それである」と言われたとき、彼らはうしろに引きさがって地に倒れた。

7.そこでまた彼らに、「だれを捜しているのか」とお尋ねになると、彼らは「ナザレのイエスを」と言った。

8.イエスは答えられた、「わたしがそれであると、言ったではないか。わたしを捜しているのなら、この人たちを去らせてもらいたい」。

9.それは、「あなたが与えて下さった人たちの中のひとりも、わたしは失わなかった」とイエスの言われた言葉が、成就するためである。

(ヨハネの福音書 (요/John) 6:37-40)

 

■ルカの福音書 (눅/Luke) 22:47-51

47.イエスがまだそう言っておられるうちに、そこに群衆が現れ、十二弟子のひとりでユダという者が先頭に立って、イエスに接吻しようとして近づいてきた。

48.そこでイエスは言われた、「ユダ、あなたは接吻をもって人の子を裏切るのか」。

49.イエスのそばにいた人たちは、事のなりゆきを見て、「主よ、つるぎで切りつけてやりましょうか」と言って、

50.そのうちのひとりが、祭司長の僕に切りつけ、その右の耳を切り落した。

51.イエスはこれに対して言われた、「それだけでやめなさい」。そして、その僕の耳に手を触れて、おいやしになった。

 

■マタイの福音書 (마/Matt) 26:52-56

52.そこで、イエスは彼に言われた、「あなたの剣をもとの所におさめなさい。剣をとる者はみな、剣で滅びる。

53.それとも、わたしが父に願って、天の使たちを十二軍団以上も、今つかわしていただくことができないと、あなたは思うのか。

54.しかし、それでは、こうならねばならないと書いてある聖書の言葉は、どうして成就されようか」。

55.そのとき、イエスは群衆に言われた、「あなたがたは強盗にむかうように、剣や棒を持ってわたしを捕えにきたのか。わたしは毎日、宮ですわって教えていたのに、わたしをつかまえはしなかった。

56.しかし、すべてこうなったのは、預言者たちの書いたことが、成就するためである」。そのとき、弟子たちは皆イエスを見捨てて逃げ去った。

(創世記 (창/Gen) 9:5-6)

 

■マタイの福音書 (마/Matt) 26:59-64

59.さて、祭司長たちと全議会とは、イエスを死刑にするため、イエスに不利な偽証を求めようとしていた。

60.そこで多くの偽証者が出てきたが、証拠があがらなかった。しかし、最後にふたりの者が出てきて、

61.言った、「この人は、わたしは神の宮を打ちこわし、三日の後に建てることができる、と言いました」。

62.すると、大祭司が立ち上がってイエスに言った、「何も答えないのか。これらの人々があなたに対して不利な証言を申し立てているが、どうなのか」。

63.しかし、イエスは黙っておられた。そこで大祭司は言った、「あなたは神の子キリストなのかどうか、生ける神に誓ってわれわれに答えよ」。

64.イエスは彼に言われた、「あなたの言うとおりである。しかし、わたしは言っておく。あなたがたは、間もなく、人の子が力ある者の右に座し、天の雲に乗って来るのを見るであろう」。

 

■マタイの福音書 (마/Matt)26:65-68

65.すると、大祭司はその衣を引き裂いて言った、「彼は神を汚した。どうしてこれ以上、証人の必要があろう。あなたがたは今このけがし言を聞いた。

66.あなたがたの意見はどうか」。すると、彼らは答えて言った、「彼は死に当るものだ」。

67.それから、彼らはイエスの顔につばきをかけて、こぶしで打ち、またある人は手のひらでたたいて言った、

68.「キリストよ、言いあててみよ、打ったのはだれか」。

 

■ルカの福音書 (눅/Luke) 22:55-62

55.人々は中庭のまん中に火をたいて、一緒にすわっていたので、ペテロもその中にすわった。

56.すると、ある女中が、彼が火のそばにすわっているのを見、彼を見つめて、「この人もイエスと一緒にいました」と言った。

57.ペテロはそれを打ち消して、「わたしはその人を知らない」と言った。

58.しばらくして、ほかの人がペテロを見て言った、「あなたもあの仲間のひとりだ」。するとペテロは言った、「いや、それはちがう」。

59.約一時間たってから、またほかの者が言い張った、「たしかにこの人もイエスと一緒だった。この人もガリラヤ人なのだから」。

60.ペテロは言った、「あなたの言っていることは、わたしにわからない」。すると、彼がまだ言い終らぬうちに、たちまち、鶏が鳴いた。

61.主は振りむいてペテロを見つめられた。そのときペテロは、「きょう、鶏が鳴く前に、三度わたしを知らないと言うであろう」と言われた主のお言葉を思い出した。

62.そして外へ出て、激しく泣いた。

 

■マタイの福音書 (마/Matt) 27:1-10

1.夜が明けると、祭司長たち、民の長老たち一同は、イエスを殺そうとして協議をこらした上、

2.イエスを縛って引き出し、総督ピラトに渡した。

3.そのとき、イエスを裏切ったユダは、イエスが罪に定められたのを見て後悔し、銀貨三十枚を祭司長、長老たちに返して

4.言った、「わたしは罪のない人の血を売るようなことをして、罪を犯しました」。しかし彼らは言った、「それは、われわれの知ったことか。自分で始末するがよい」。

5.そこで、彼は銀貨を聖所に投げ込んで出て行き、首をつって死んだ。

6.祭司長たちは、その銀貨を拾いあげて言った、「これは血の代価だから、宮の金庫に入れるのはよくない」。

7.そこで彼らは協議の上、外国人の墓地にするために、その金で陶器師の畑を買った。

8.そのために、この畑は今日まで血の畑と呼ばれている。

9.こうして預言者エレミヤによって言われた言葉が、成就したのである。すなわち、「彼らは、値をつけられたもの、すなわち、イスラエルの子らが値をつけたものの代価、銀貨三十を取って、

10.主がお命じになったように、陶器師の畑の代価として、その金を与えた」。

 

■ルカの福音書 (눅/Luke) 22:63-70

63.イエスを監視していた人たちは、イエスを嘲弄し、打ちたたき、

64.目かくしをして、「言いあててみよ。打ったのは、だれか」ときいたりした。

65.そのほか、いろいろな事を言って、イエスを愚弄した。

66.夜が明けたとき、人民の長老、祭司長たち、律法学者たちが集まり、イエスを議会に引き出して言った、

67.「あなたがキリストなら、そう言ってもらいたい」。イエスは言われた、「わたしが言っても、あなたがたは信じないだろう。

68.また、わたしがたずねても、答えないだろう。

69.しかし、人の子は今からのち、全能の神の右に座するであろう」。

70.彼らは言った、「では、あなたは神の子なのか」。イエスは言われた、「あなたがたの言うとおりである」。

 

■ヨハネの福音書 (요/John) 18:28-32

28それから人々は、イエスをカヤパのところから官邸につれて行った。時は夜明けであった。彼らは、けがれを受けないで過越の食事ができるように、官邸にはいらなかった。

29.そこで、ピラトは彼らのところに出てきて言った、「あなたがたは、この人に対してどんな訴えを起すのか」。

30.彼らはピラトに答えて言った、「もしこの人が悪事をはたらかなかったなら、あなたに引き渡すようなことはしなかったでしょう」。

31.そこでピラトは彼らに言った、「あなたがたは彼を引き取って、自分たちの律法でさばくがよい」。ユダヤ人らは彼に言った、「わたしたちには、人を死刑にする権限がありません」。

32.これは、ご自身がどんな死にかたをしようとしているかを示すために言われたイエスの言葉が、成就するためである。

 

■マタイの福音書 (마/Matt) 27:11-18

11.さて、イエスは総督の前に立たれた。すると総督はイエスに尋ねて言った、「あなたがユダヤ人の王であるか」。イエスは「そのとおりである」と言われた。

12.しかし、祭司長、長老たちが訴えている間、イエスはひと言もお答えにならなかった。

13.するとピラトは言った、「あんなにまで次々に、あなたに不利な証言を立てているのが、あなたには聞えないのか」。

14.しかし、総督が非常に不思議に思ったほどに、イエスは何を言われても、ひと言もお答えにならなかった。

15.さて、祭のたびごとに、総督は群衆が願い出る囚人ひとりを、ゆるしてやる慣例になっていた。

16.ときに、バラバという評判の囚人がいた。

17.それで、彼らが集まったとき、ピラトは言った、「おまえたちは、だれをゆるしてほしいのか。バラバか、それとも、キリストといわれるイエスか」。

18.彼らがイエスを引きわたしたのは、ねたみのためであることが、ピラトにはよくわかっていたからである。

 

 

■ルカの福音書 (눅/Luke) 23:6-12

6.ピラトはこれを聞いて、この人はガリラヤ人かと尋ね、

7.そしてヘロデの支配下のものであることを確かめたので、ちょうどこのころ、ヘロデがエルサレムにいたのをさいわい、そちらへイエスを送りとどけた。

8.ヘロデはイエスを見て非常に喜んだ。それは、かねてイエスのことを聞いていたので、会って見たいと長いあいだ思っていたし、またイエスが何か奇跡を行うのを見たいと望んでいたからである。

9.それで、いろいろと質問を試みたが、イエスは何もお答えにならなかった。

10.祭司長たちと律法学者たちとは立って、激しい語調でイエスを訴えた。

11.またヘロデはその兵卒どもと一緒になって、イエスを侮辱したり嘲弄したりしたあげく、はなやかな着物を着せてピラトへ送りかえした。

12.ヘロデとピラトとは以前は互に敵視していたが、この日に親しい仲になった。

 

■マタイの福音書 (마/Matt) 27:19-25

19.また、ピラトが裁判の席についていたとき、その妻が人を彼のもとにつかわして、「あの義人には関係しないでください。わたしはきょう夢で、あの人のためにさんざん苦しみましたから」と言わせた。

20.しかし、祭司長、長老たちは、バラバをゆるして、イエスを殺してもらうようにと、群衆を説き伏せた。

21.総督は彼らにむかって言った、「ふたりのうち、どちらをゆるしてほしいのか」。彼らは「バラバの方を」と言った。

22.ピラトは言った、「それではキリストといわれるイエスは、どうしたらよいか」。彼らはいっせいに「十字架につけよ」と言った。

23.しかし、ピラトは言った、「あの人は、いったい、どんな悪事をしたのか」。すると彼らはいっそう激しく叫んで、「十字架につけよ」と言った。

24.ピラトは手のつけようがなく、かえって暴動になりそうなのを見て、水を取り、群衆の前で手を洗って言った、「この人の血について、わたしには責任がない。おまえたちが自分で始末をするがよい」。

25.すると、民衆全体が答えて言った、「その血の責任は、われわれとわれわれの子孫の上にかかってもよい」。

 

■ルカの福音書 (눅/Luke) 23:22-24

22.ピラトは三度目に彼らにむかって言った、「では、この人は、いったい、どんな悪事をしたのか。彼には死に当る罪は全くみとめられなかった。だから、むち打ってから彼をゆるしてやることにしよう」。

23.ところが、彼らは大声をあげて詰め寄り、イエスを十字架につけるように要求した。そして、その声が勝った。

24.ピラトはついに彼らの願いどおりにすることに決定した。

 

■ヨハネの福音書 (요/John) 19:11-17

11.イエスは答えられた、「あなたは、上から賜わるのでなければ、わたしに対してなんの権威もない。だから、わたしをあなたに引き渡した者の罪は、もっと大きい」。

12.これを聞いて、ピラトはイエスを許そうと努めた。しかしユダヤ人たちが叫んで言った、「もしこの人を許したなら、あなたはカイザルの味方ではありません。自分を王とするものはすべて、カイザルにそむく者です」。

13.ピラトはこれらの言葉を聞いて、イエスを外へ引き出して行き、敷石(ヘブル語ではガバタ)という場所で裁判の席についた。

14.その日は過越の準備の日であって、時は昼の十二時ころであった。ピラトはユダヤ人らに言った、「見よ、これがあなたがたの王だ」。

15.すると彼らは叫んだ、「殺せ、殺せ、彼を十字架につけよ」。ピラトは彼らに言った、「あなたがたの王を、わたしが十字架につけるのか」。祭司長たちは答えた、「わたしたちには、カイザル以外に王はありません」。

16.そこでピラトは、十字架につけさせるために、イエスを彼らに引き渡した。彼らはイエスを引き取った。

17.イエスはみずから十字架を背負って、されこうべ(ヘブル語ではゴルゴタ)という場所に出て行かれた。

 

■マタイの福音書 (마/Matt) 27:26-31

26.そこで、ピラトはバラバをゆるしてやり、イエスをむち打ったのち、十字架につけるために引きわたした。

27.それから総督の兵士たちは、イエスを官邸に連れて行って、全部隊をイエスのまわりに集めた。

28.そしてその上着をぬがせて、赤い外套を着せ、

29.また、いばらで冠を編んでその頭にかぶらせ、右の手には葦の棒を持たせ、それからその前にひざまずき、嘲弄して、「ユダヤ人の王、ばんざい」と言った。

30.また、イエスにつばきをかけ、葦の棒を取りあげてその頭をたたいた。

31.こうしてイエスを嘲弄したあげく、外套をはぎ取って元の上着を着せ、それから十字架につけるために引き出した。

 

■マルコの福音書 (막/Mark) 15:21-22

21.そこへ、アレキサンデルとルポスとの父シモンというクレネ人が、郊外からきて通りかかったので、人々はイエスの十字架を無理に負わせた。

22.そしてイエスをゴルゴタ、その意味は、されこうべ、という所に連れて行った。

 

※されこうべ→どくろ

 

■ルカの福音書 (눅/Luke)23:27-32

27.大ぜいの民衆と、悲しみ嘆いてやまない女たちの群れとが、イエスに従って行った。

28.イエスは女たちの方に振りむいて言われた、「エルサレムの娘たちよ、わたしのために泣くな。むしろ、あなたがた自身のため、また自分の子供たちのために泣くがよい。

29.『不妊の女と子を産まなかった胎と、ふくませなかった乳房とは、さいわいだ』と言う日が、いまに来る。

30.そのとき、人々は山にむかって、われわれの上に倒れかかれと言い、また丘にむかって、われわれにおおいかぶされと言い出すであろう。

31.もし、生木でさえもそうされるなら、枯木はどうされることであろう」。

32.さて、イエスと共に刑を受けるために、ほかにふたりの犯罪人も引かれていった。

 

■ルカの福音書 (눅/Luke) 23:33-38

33.されこうべと呼ばれている所に着くと、人々はそこでイエスを十字架につけ、犯罪人たちも、ひとりは右に、ひとりは左に、十字架につけた。

34.そのとき、イエスは言われた、「父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです」。人々はイエスの着物をくじ引きで分け合った。

35.民衆は立って見ていた。役人たちもあざ笑って言った、「彼は他人を救った。もし彼が神のキリスト、選ばれた者であるなら、自分自身を救うがよい」。

36.兵卒どももイエスをののしり、近寄ってきて酢いぶどう酒をさし出して言った、

37.「あなたがユダヤ人の王なら、自分を救いなさい」。

38.イエスの上には、「これはユダヤ人の王」と書いた札がかけてあった。

※されこうべ→どくろ

 

十字架上のことば① 「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです。」

時刻→午前9時

 

■ヨハネの福音書 (요/John) 19:18-24

18.彼らはそこで、イエスを十字架につけた。イエスをまん中にして、ほかのふたりの者を両側に、イエスと一緒に十字架につけた。

19.ピラトは罪状書きを書いて、十字架の上にかけさせた。それには「ユダヤ人の王、ナザレのイエス」と書いてあった。

20.イエスが十字架につけられた場所は都に近かったので、多くのユダヤ人がこの罪状書きを読んだ。それはヘブル、ローマ、ギリシヤの国語で書いてあった。

21.ユダヤ人の祭司長たちがピラトに言った、「『ユダヤ人の王』と書かずに、『この人はユダヤ人の王と自称していた』と書いてほしい」。

22.ピラトは答えた、「わたしが書いたことは、書いたままにしておけ」。

23.さて、兵卒たちはイエスを十字架につけてから、その上着をとって四つに分け、おのおの、その一つを取った。また下着を手に取ってみたが、それには縫い目がなく、上の方から全部一つに織ったものであった。

24.そこで彼らは互に言った、「それを裂かないで、だれのものになるか、くじを引こう」。これは、「彼らは互にわたしの上着を分け合い、わたしの衣をくじ引にした」という聖書が成就するためで、兵卒たちはそのようにしたのである。

 

■マタイの福音書 (마/Matt) 27:39-44

39.そこを通りかかった者たちは、頭を振りながら、イエスをののしって

40.言った、「神殿を打ちこわして三日のうちに建てる者よ。もし神の子なら、自分を救え。そして十字架からおりてこい」。

41.祭司長たちも同じように、律法学者、長老たちと一緒になって、嘲弄して言った、

42.「他人を救ったが、自分自身を救うことができない。あれがイスラエルの王なのだ。いま十字架からおりてみよ。そうしたら信じよう。

43.彼は神にたよっているが、神のおぼしめしがあれば、今、救ってもらうがよい。自分は神の子だと言っていたのだから」。

44.一緒に十字架につけられた強盗どもまでも、同じようにイエスをののしった。

 

■ルカの福音書 (눅/Luke) 23:39-43

39.十字架にかけられた犯罪人のひとりが、「あなたはキリストではないか。それなら、自分を救い、またわれわれも救ってみよ」と、イエスに悪口を言いつづけた。

40.もうひとりは、それをたしなめて言った、「おまえは同じ刑を受けていながら、神を恐れないのか。

41.お互は自分のやった事のむくいを受けているのだから、こうなったのは当然だ。しかし、このかたは何も悪いことをしたのではない」。

42.そして言った、「イエスよ、あなたが御国の権威をもっておいでになる時には、わたしを思い出してください」。

43.イエスは言われた、「よく言っておくが、あなたはきょう、わたしと一緒にパラダイスにいるであろう」。

 

十字架上のことば②「まことに、あなたに告げます。あなたはきょう、わたしとともにパラダイスにいます。」

時刻→12時頃

 

■ヨハネの福音書 (요/John) 19:25-27

25.さて、イエスの十字架のそばには、イエスの母と、母の姉妹と、クロパの妻マリヤと、マグダラのマリヤとが、たたずんでいた。

26.イエスは、その母と愛弟子とがそばに立っているのをごらんになって、母にいわれた、「婦人よ、ごらんなさい。これはあなたの子です」。

27.それからこの弟子に言われた、「ごらんなさい。これはあなたの母です」。そのとき以来、この弟子はイエスの母を自分の家に引きとった。

 

十字架上のことば③「婦人よ、ごらんなさい。これはあなたの子です」「ごらんなさい。これはあなたの母です」

 

■マルコの福音書 (막/Mark) 15:33-35

33.昼の十二時になると、全地は暗くなって、三時に及んだ。

34.そして三時に、イエスは大声で、「エロイ、エロイ、ラマ、サバクタニ」と叫ばれた。それは「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。

35.すると、そばに立っていたある人々が、これを聞いて言った、「そら、エリヤを呼んでいる」。

 

十字架上のことば④「エロイ、エロイ、ラマ、サバクタニ」(「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」マタ27:46)

意味→「わが神、わが神。どうしてわたしをお見捨てになったのですか」

 

■ヨハネの福音書 (요/John) 19:28-29

28.そののち、イエスは今や万事が終ったことを知って、「わたしは、かわく」と言われた。それは、聖書が全うされるためであった。

29.そこに、酢いぶどう酒がいっぱい入れてある器がおいてあったので、人々は、このぶどう酒を含ませた海綿をヒソプの茎に結びつけて、イエスの口もとにさし出した。

十字架上のことば⑤「わたしは渇く」

 

■マルコの福音書 (막/Mark) 15:36

ひとりの人が走って行き、海綿に酢いぶどう酒を含ませて葦の棒につけ、イエスに飲ませようとして言った、「待て、エリヤが彼をおろしに来るかどうか、見ていよう」。

 

▶詩篇 (시/Ps) 69:19-21

19.あなたはわたしの受けるそしりと、恥と、はずかしめとを知っておられます。わたしのあだは皆あなたの前にあります。

20.そしりがわたしの心を砕いたので、わたしは望みを失いました。わたしは同情する者を求めたけれども、ひとりもなく、慰める者を求めたけれども、ひとりも見ませんでした。

21.彼らはわたしの食物に毒を入れ、わたしのかわいた時に酢を飲ませました。

 

▶詩篇 (시/Ps) 22:14-15

14.わたしは水のように注ぎ出され、わたしの骨はことごとくはずれ、わたしの心臓は、ろうのように、胸のうちで溶けた。

15.わたしの力は陶器の破片のようにかわき、わたしの舌はあごにつく。あなたはわたしを死のちりに伏させられる。

 

■ヨハネの福音書 (요/John) 19:30

すると、イエスはそのぶどう酒を受けて、「すべてが終った」と言われ、首をたれて息をひきとられた。

 

十字架上のことば⑥「完了した」

 

▶イザヤ書 (사/Isa) 46:9-10

9.いにしえよりこのかたの事をおぼえよ。わたしは神である、わたしのほかに神はない。わたしは神である、わたしと等しい者はない。

10.わたしは終りの事を初めから告げ、まだなされない事を昔から告げて言う、『わたしの計りごとは必ず成り、わが目的をことごとくなし遂げる』と。

 

■ルカの福音書 (눅/Luke) 23:45-46

45.そして聖所の幕がまん中から裂けた。

46.そのとき、イエスは声高く叫んで言われた、「父よ、わたしの霊をみ手にゆだねます」。こう言ってついに息を引きとられた。

 

十字架上のことば⑦「父よ。わが霊を御手にゆだねます。」

 

■マタイの福音書 (마/Matt) 27:50-54

50.イエスはもう一度大声で叫んで、ついに息をひきとられた。

51.すると見よ、神殿の幕が上から下まで真二つに裂けた。また地震があり、岩が裂け、

52.また墓が開け、眠っている多くの聖徒たちの死体が生き返った。

53.そしてイエスの復活ののち、墓から出てきて、聖なる都にはいり、多くの人に現れた。

54.百卒長、および彼と一緒にイエスの番をしていた人々は、地震や、いろいろのできごとを見て非常に恐れ、「まことに、この人は神の子であった」と言った。

 

■ヨハネの福音書 (요/John) 19:31-37

31.さてユダヤ人たちは、その日が準備の日であったので、安息日に死体を十字架の上に残しておくまいと、(特にその安息日は大事な日であったから)、ピラトに願って、足を折った上で、死体を取りおろすことにした。

32.そこで兵卒らがきて、イエスと一緒に十字架につけられた初めの者と、もうひとりの者との足を折った。

33.しかし、彼らがイエスのところにきた時、イエスはもう死んでおられたのを見て、その足を折ることはしなかった。

34.しかし、ひとりの兵卒がやりでそのわきを突きさすと、すぐ血と水とが流れ出た。

35.それを見た者があかしをした。そして、そのあかしは真実である。その人は、自分が真実を語っていることを知っている。それは、あなたがたも信ずるようになるためである。

36.これらのことが起ったのは、「その骨はくだかれないであろう」との聖書の言葉が、成就するためである。

37.また聖書のほかのところに、「彼らは自分が刺し通した者を見るであろう」とある。

 

■ルカの福音書 (눅/Luke) 23:47-49

47.百卒長はこの有様を見て、神をあがめ、「ほんとうに、この人は正しい人であった」と言った。

48.この光景を見に集まってきた群衆も、これらの出来事を見て、みな胸を打ちながら帰って行った。

49.すべてイエスを知っていた者や、ガリラヤから従ってきた女たちも、遠い所に立って、これらのことを見ていた。

 

■マルコの福音書 (막/Mark) 15:40-47

40.また、遠くの方から見ている女たちもいた。その中には、マグダラのマリヤ、小ヤコブとヨセとの母マリヤ、またサロメがいた。

41.彼らはイエスがガリラヤにおられたとき、そのあとに従って仕えた女たちであった。なおそのほか、イエスと共にエルサレムに上ってきた多くの女たちもいた。

42.さて、すでに夕がたになったが、その日は準備の日、すなわち安息日の前日であったので、

43.アリマタヤのヨセフが大胆にもピラトの所へ行き、イエスのからだの引取りかたを願った。彼は地位の高い議員であって、彼自身、神の国を待ち望んでいる人であった。

44.ピラトは、イエスがもはや死んでしまったのかと不審に思い、百卒長を呼んで、もう死んだのかと尋ねた。

45.そして、百卒長から確かめた上、死体をヨセフに渡した。

46.そこで、ヨセフは亜麻布を買い求め、イエスをとりおろして、その亜麻布に包み、岩を掘って造った墓に納め、墓の入口に石をころがしておいた。

47.マグダラのマリヤとヨセの母マリヤとは、イエスが納められた場所を見とどけた。

 

▶イザヤ書 (사/Isa) 53:1-12

1.だれがわれわれの聞いたことを/信じ得たか。主の腕は、だれにあらわれたか。

2.彼は主の前に若木のように、かわいた土から出る根のように育った。彼にはわれわれの見るべき姿がなく、威厳もなく、われわれの慕うべき美しさもない。

3.彼は侮られて人に捨てられ、悲しみの人で、病を知っていた。また顔をおおって忌みきらわれる者のように、彼は侮られた。われわれも彼を尊ばなかった。

4.まことに彼はわれわれの病を負い、われわれの悲しみをになった。しかるに、われわれは思った、彼は打たれ、神にたたかれ、苦しめられたのだと。

5.しかし彼はわれわれのとがのために傷つけられ、われわれの不義のために砕かれたのだ。彼はみずから懲らしめをうけて、われわれに平安を与え、その打たれた傷によって、われわれはいやされたのだ。

6.われわれはみな羊のように迷って、おのおの自分の道に向かって行った。主はわれわれすべての者の不義を、彼の上におかれた。

7.彼はしえたげられ、苦しめられたけれども、口を開かなかった。ほふり場にひかれて行く小羊のように、また毛を切る者の前に黙っている羊のように、口を開かなかった。

8.彼は暴虐なさばきによって取り去られた。その代の人のうち、だれが思ったであろうか、彼はわが民のとがのために打たれて、生けるものの地から断たれたのだと。

9.彼は暴虐を行わず、その口には偽りがなかったけれども、その墓は悪しき者と共に設けられ、その塚は悪をなす者と共にあった。

10.しかも彼を砕くことは主のみ旨であり、主は彼を悩まされた。彼が自分を、とがの供え物となすとき、その子孫を見ることができ、その命をながくすることができる。かつ主のみ旨が彼の手によって栄える。

11.彼は自分の魂の苦しみにより光を見て満足する。義なるわがしもべはその知識によって、多くの人を義とし、また彼らの不義を負う。

12.それゆえ、わたしは彼に大いなる者と共に/物を分かち取らせる。彼は強い者と共に獲物を分かち取る。これは彼が死にいたるまで、自分の魂をそそぎだし、とがある者と共に数えられたからである。しかも彼は多くの人の罪を負い、とがある者のためにとりなしをした。

 

■ヨハネの福音書 (요/John) 19:38-42

38.そののち、ユダヤ人をはばかって、ひそかにイエスの弟子となったアリマタヤのヨセフという人が、イエスの死体を取りおろしたいと、ピラトに願い出た。ピラトはそれを許したので、彼はイエスの死体を取りおろしに行った。

39.また、前に、夜、イエスのみもとに行ったニコデモも、没薬と沈香とをまぜたものを百斤ほど持ってきた。

40.彼らは、イエスの死体を取りおろし、ユダヤ人の埋葬の習慣にしたがって、香料を入れて亜麻布で巻いた。

41.イエスが十字架にかけられた所には、一つの園があり、そこにはまだだれも葬られたことのない新しい墓があった。

42.その日はユダヤ人の準備の日であったので、その墓が近くにあったため、イエスをそこに納めた。

 

■マタイの福音書 (마/Matt) 27:62-66

62.あくる日は準備の日の翌日であったが、その日に、祭司長、パリサイ人たちは、ピラトのもとに集まって言った、

63.「長官、あの偽り者がまだ生きていたとき、『三日の後に自分はよみがえる』と言ったのを、思い出しました。

64.ですから、三日目まで墓の番をするように、さしずをして下さい。そうしないと、弟子たちがきて彼を盗み出し、『イエスは死人の中から、よみがえった』と、民衆に言いふらすかも知れません。そうなると、みんなが前よりも、もっとひどくだまされることになりましょう」。

65.ピラトは彼らに言った、「番人がいるから、行ってできる限り、番をさせるがよい」。

66.そこで、彼らは行って石に封印をし、番人を置いて墓の番をさせた。

 

■マタイの福音書 (마/Matt) 28:1-8

1.さて、安息日が終って、週の初めの日の明け方に、マグダラのマリヤとほかのマリヤとが、墓を見にきた。

2.すると、大きな地震が起った。それは主の使が天から下って、そこにきて石をわきへころがし、その上にすわったからである。

3.その姿はいなずまのように輝き、その衣は雪のように真白であった。

4.見張りをしていた人たちは、恐ろしさの余り震えあがって、死人のようになった。

5.この御使は女たちにむかって言った、「恐れることはない。あなたがたが十字架におかかりになったイエスを捜していることは、わたしにわかっているが、

6.もうここにはおられない。かねて言われたとおりに、よみがえられたのである。さあ、イエスが納められていた場所をごらんなさい。

7.そして、急いで行って、弟子たちにこう伝えなさい、『イエスは死人の中からよみがえられた。見よ、あなたがたより先にガリラヤへ行かれる。そこでお会いできるであろう』。あなたがたに、これだけ言っておく」。

8.そこで女たちは恐れながらも大喜びで、急いで墓を立ち去り、弟子たちに知らせるために走って行った。

(マル16:1-8,ルカ23:56-24:9,ヨハ20:1-2)

 

■ヨハネの福音書 (요/John) 20:1-10

1.さて、一週の初めの日に、朝早くまだ暗いうちに、マグダラのマリヤが墓に行くと、墓から石がとりのけてあるのを見た。

2.そこで走って、シモン・ペテロとイエスが愛しておられた、もうひとりの弟子のところへ行って、彼らに言った、「だれかが、主を墓から取り去りました。どこへ置いたのか、わかりません」。

3.そこでペテロともうひとりの弟子は出かけて、墓へむかって行った。

4.ふたりは一緒に走り出したが、そのもうひとりの弟子の方が、ペテロよりも早く走って先に墓に着き、

5.そして身をかがめてみると、亜麻布がそこに置いてあるのを見たが、中へははいらなかった。

6.シモン・ペテロも続いてきて、墓の中にはいった。彼は亜麻布がそこに置いてあるのを見たが、

7.イエスの頭に巻いてあった布は亜麻布のそばにはなくて、はなれた別の場所にくるめてあった。

8.すると、先に墓に着いたもうひとりの弟子もはいってきて、これを見て信じた。

9.しかし、彼らは死人のうちからイエスがよみがえるべきことをしるした聖句を、まだ悟っていなかった。

10.それから、ふたりの弟子たちは自分の家に帰って行った。