クリスマスの夜、真紀は逃げるように地元へと帰郷する。
母校の回りを歩いていると、女子中学生にライブのチケットを押し売りされ、しぶしぶと公民館へと入った。
羽柴良太は、親友であるひきこもりな橋本恭介を連れ出すべく、荒療治としてライブへと出かけた。
隆は松尾淳一の紹介でバンドのヘルプを頼まれヴォーカルとしてステージに立った。
ベースの男は遅れている、バンドのヴォーカルが到着するまでの間、時間稼ぎに流行曲をのコピーをしようと隆にもちかけるが、隆はこれに断固として反対した。
そのとき、会場に居合わせた、真紀を指差し、
「あんたにこの曲を捧げる、メリークリスマス!」
と、言った。
隆のこの行いにベースの男は更に怒りをつのらせ、襟首をつかんだ。
騒然とする中、このバンドのメンバーである、山中椿は、場の空気を収めるために、ギターをかき鳴らした。
頃合いを見て、隆は歌い出した。
歌唱力の高い隆の歌声に場内は唖然とする。
居合わせた者は隆にだれも文句を言えなくなった。
隆が会場から出て、バイクのエンジンをかけていると、隆の後を追ってきた真紀が話しかける。
オリジナルだという先ほどの、即興に驚く真紀だった。
二人は意気投合し、逃げるように会場を去った。
<本編>プロローグ
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