バイト先の常連客が9月に亡くなった。

 精神的に障害者というだけあって、皆彼に優しかったし、彼はママや従業員にも優しかった。困ったところはあっても皆彼を好きだったと思われる。

 彼は父親が残した財産に恵まれていて、通っていた将棋道場の人にお金を貸したらしい。

 亡くなる2ヶ月前ほどから、財布のひもがきつくなり、その人との金銭のやりとりをママや他のお客さんに相談していたようだったが、相手は踏み倒す気満々らしかった。

 彼の死因は自殺だったので、もともと病んでいたことを知っていた私たちはそうとう惜しんだ。その死に何も疑わなかった。


 ところが、第一発見者がお金を貸した人だった ということが昨日判明した。


 ニュース沙汰になるわけではないと思うが、同じ道場に通って、借りた人と知人であるお客さんが今後尽力をつくしてくれるらしい。

 真実を追求するわけでなく、思いを晴らすために


 私にできることは祈るだけだった。