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KOTARO'S WEB LOG '08

日記を中心に世界のニュースも織りまぜながら綴っていきます。

今にも雨が落ちてきそうな空模様。

昨日予約した美容院へ向かった。隣駅から徒歩7分。田園都市線を利用せず、二子橋を渡った。二子玉川の駅前を通過し、高島屋本館と南館の間を抜けて、商店街。商店街をしばらく歩いて、美容院に到着。雨は、まだ降り出してはいない。

最近はネットで、ある程度店の雰囲気を捉えることができる。それが、初めていく場合の選択材料になることも少なくない。今回この店に決めた理由は、価格と「アットホーム」だ。ごく平均的な中年男性である私が、トレンド最先端の店に、足を運ぶメリットも探せ出せそうにない。決して技術やサービスのクォリティにフォーカスしているわけではなく、「この店なら案外、中年のわけのわからないリクエストにも応じてくれるのではないかな」といった日常の家庭生活の延長上で、コミュニケーションが成立するかどうかというところだ。

店に入って、受付で名前を伝えた。受付前の小スペースに、かわいらしいがこだわりがありそうなリビングセット。腰を下ろして名前や連絡先などを記入した。お決まりの初回の作業だが、何故か窮屈感がない。店内を見回す。数人をお客さんと担当するスタイリストが、明るくコミュニケーションをとっている。必要以上の明るさもなく、ライティングにも嫌味がない、歓迎ムードが感じられた。「ここを選んで良かった」と自分を肯定できる瞬間だった。

しばらくして、一人のスタッフに鏡の前に案内された。「いよいよかな」と思った。が・・・そのスタッフは、今回のメニューの確認をしてきた'だけ'。カットなのか、パーマなのか、はたまたカラーなのか、顧客の要望を整理して価格を提示した。今回はクーポンを利用しているので、メニューは明白であったが、その作業は省かれなかった。これから行うサービス内容と価格の共有につながっていることは、言うまでもない。受付の前でも、この作業はできるはずだが、それをしない。そこには、きちんとした理由があるからだ。'だけ'が大切な意味を持っていた。

共有ができたところで、今回のスタイリストを紹介された。若い女性であった。20代後半だろうか、細身のきれいなお姉さん系だ。今日のメニューは、カットとカラーとヘッドスパ。どのようにカットをするかを、いつもより長い時間話した。私から話すことになったわけではなく、彼女の必要性から、話すことになった。彼女の真剣な姿勢がわかる時間だった。ここでも小さな満足感があった。

カットやカラーが具体的に決まり、いよいよ本番。ここまで20分以上はかかっているが、不快感はなかった。どちらかというと店への安心感ができてきたようだ。

カラーからスタートして、軽くシャンプー、そしてカット、シャンプーへ。途中ヘッドスパが入り、終了。所要時間3時間ほどだ。さっぱりした。

髪を切っている間、結構リラックスできていたようだ。初回ということも忘れ、用意された雑誌を読むよりは、彼女とコミュニケーションをとっていたようだ。いつもとは違っていた。

受付に支払いへ。受付のスタッフからアンケート記入の依頼をされた。急ぐわけでもないので、快諾。

アンケートは、主にスタイリスト評価に利用される内容だった。いくつかの設問に対して、選択肢は「感動した」、「合格点」・・・などだ。今回担当してくれたスタイリストに関しては、ほぼ「感動した」にチェックを入れた。甘いかなと思ったが、実際に彼女が施したサービスは、各設問を見事にクリアしていた。ある意味ストラテジックに完結していた。

アンケート記入後、担当スタイリストから会員カードや次回の割引券をいただいて、エントランスまで案内された。外は、すでに暗くなっていた。

「ありがとうございました」というお礼の言葉をいただき外へ。雨が降り出していた。

「少しお待ちいただけますか?」と言って、彼女は店の奥へ入っていった。1分くらいで戻ってきた。その手には、傘があった。「どうぞ使ってください。」

「ありがとう。」

「お返しいただかなくて結構ですから。」

コンビニで売っている透明傘だが、新品ではないようで、返却する必要のない傘を、わざわざ選んできてくれたようだ。もし返却が必要ならば、私は再び、この店に来なくてはならない。来ると決めていなくてもだ。そんな拘束から解いてくれた。

「ありがとう。」

傘をさして家路に。20メートルほど歩いて「いい店だったなぁ」と振り返った。

・・・あっ。

彼女は、しっかりとした目線で、笑顔で、お辞儀を。

久しぶりに、おもてなしを感じた。数えたわけではないが、きっと私の方が「ありがとう。」と言った回数が多かったのではないだろうか。店への「安心感」は、すでに人への「信頼感」に変わっていた。



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