reason

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　穴の開くほど、眺めたこの数字。

　この数字に私のすべてがかかっている。

　でもやがて、私はこの数字に対する考えを放棄した。

　日本中が何かに熱狂している。

　何かがおかしい。

　何かピンとこない。

　こんな数字に自分の人生を預けてもいいものか。

　人が熱狂している時ほど、冷静にならなくては。

　私の人生はこんな数字なんかに左右される謂れはない。

　私はすべての友達との縁を切る。

　孤独になった上で、考えた、調べた、あらゆる可能性を思考した。

　テレビでは8割の人が行っていた。

　でも真実は多数決ではない。

　有名な人たちが宣伝していた。

　でも有名人に流されるほど頭が悪くはない。

　善悪の判断が下された。

　でもそれは権力者が自分たちがいいように作り出した善悪だ。

　真実と善悪は何も関係がない。

　思いやりという日本人に弱い単語が発せられるようになった。

　真実がわからなければ、思いやりも何もない。

　真実は多数決でもなく、有名人の推しでもなく、善悪でもなく、独立したものだ。

　家族のために地動説を放棄した人もいた。

　それが今はどうだ？

　地動説は当たり前になっている。

　真実は人が作り上げるものではないんだ。

　否定しても、否定しても、これでもかと否定しても、それでも心に浮かび上がってくるもの、それが真実だと私は思っている。

　狭い世界で考えてはいけない。

　人に流されてはいけない。

　時流に乗ってもいけない。

　私があの数字を放棄した理由は、どうしても今の状況が真実だと思えなかったからだ。

　バカにもされた。

　道を歩くなとも言われた。

　「死ぬよ」とも言われた。

　でも私は、「2、3年後を見ていろよ」

という白けた気持ちだった。

　2、３年経った今はどうだろう？

　あの頃の真実はどこへ行った？

　うやむやにされている。

　あと5、6年後はどうなる？

　きっと今より悲惨な状況になる。

　１０年後は？

　もう考えたくない。

　流されるなと私は自分を戒めている。

　私は真実を知りたい時ほど孤独になる。

　調べて、否定して、否定して、それでも自分に残るのが真実だと思う信念は変わらない。

　reasonは真実を追求した結果。

　だからどんなことになろうとも私に後悔はない。