なんでもない日曜日の昼下がり。

 

 久々に田舎に帰り、久々に会う昔の同級生と、久々に行く喫茶店で世間話をしていた。

 

 その相手の同級生は昔仲が良かった女の子で、よく互いの家に遊びに行ったりもした。だから、会うのを少しだけ楽しみにしていたのも事実。

 

 

 でも、その会話には新鮮さやわくわく感は一切ない。むしろその対極のような、陳腐なけだるさが漂っていた。

 

 

 中学と高校の同級生だった彼女も、もう30歳。結婚して、パートで働きながら主婦をする彼女の口から語られるのは、つまらないうわさ話ばかりだ。

 

 鈴木さん家の○○ちゃんが妊娠しただとか、その子供が何歳になっただとか、田中さん家の××君が賞を取っただとか。正直、私にはどうでもいいことばかり。

 

 

 適当に相槌を打ちながら、飲みかけのアイスコーヒーのストローを弄ぶ。

 

 氷が解けて、若干薄くなったコーヒーは飲むに堪えない味で、もう口を付ける気分ではなかった。

 

 

 そんな私の内心には全く気づいていない様子で、彼女は楽しそうに、下らないうわさ話を語り続ける。

 

 

 

 そのマシンガントークが途切れて、ふと、彼女が真剣な顔になった。

 

 「あのさ、実はね。鈴木さんところだけじゃないの。」

 

 何か言いたいことがあるらしい。

 

 さっきの続きの話であることは口ぶりからして明確。だから、どうせ下らないことだろうと思いつつも、親身に聞くふりをする。

 

 すると、彼女はもったいぶりながら切り出した。

 

 「まだ誰にも言ってないけど、ウチのシフォンも妊娠したの。」

 

 ああ、あの子か。

 

 私は、くりくりとした可愛い目をしたマルチーズを思い出しながら、愛想笑いを浮かべた。

 

「そうだったの!おめでとう。」

 

 内心、ほらやっぱりどうでもいい話じゃないか、と思いながら言うと、彼女は感激して喜んだ。

 

 

うわさ話

(そんな話、犬も食べないわ)