優しさは命取りに、『このろくでもない世界で』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『このろくでもない世界で』

【評価】☆☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】キム・チャンフン

【主演】ホン・サビン

 

 

【あらすじ】

 義父や同級生からの暴力で、精神的に追い詰められていた高校生のヨンギュ。彼に助けの手を差し伸べたのは裏社会で生きるチゴンだった。

 

 

【感想】

 社会の底辺で生きる若者にスポットを当てたサスペンス。泥臭くて血なまぐさい韓国映画ならでは世界だった。孤立し無防備な弱者は、捕食者のターゲットになってしまう。野生やジャングルの掟を目にしているようだった。優しさも命取りになる。群れること、暴力的になることが生き延びる術なのかもしれない。希望の光を見せようという努力は見られたが、鬱々とした気分に染まっていく。