疲れ震える1作 | スキップカウズ・イマヤスオフィシャルブログ『イマヤスの「モンデバイソン」』by Ameba

疲れ震える1作

立松和平の光の雨を映画化した光の雨を観る、しかも今更かつややこしい感じで申し訳。

いわゆる連合赤軍を描いた映画で1番だと思う。

原作を大幅に脚色し劇中劇にする事で現代との接点を持ちつつ革命を夢見て突っ走りしかも尋常でない真っ直ぐさが行き過ぎて気付いた時には止められなくなってゆく狂気がよりわかりやすく観れる様に思う。

とにかくこの時代にこの時代の若者が何を思い何を夢見て何故に革命に走ったのか?そしてそれはどうして破綻してしまい同じ夢を見て同じ様に走っていた筈の若者は何故 壮絶な殺し合いをしなければならなかったのか?

そして果たして何が正しくて何が間違っているのか?そして自分があの負の連鎖の輪の中に居たとしたら……

様々な想いが観ていて自分の頭を駆け巡る……そして観ていてこんな辛いもんは無いと思いつつ生きていく中でこの事を知らない自分ではいたくないと言う非常に揺さぶられる難しい感情の中でこの映画を観た。

つーか原作を読んだ時もズドンと心に重いもんがきたんだけども…しかも映画化の話の時もコレをどう映画化するんだろ?と思ってたけど……この映画は本当に凄い。しかもある意味 複雑すぎる内容を劇中劇にする事で明確にして今に通じるメッセージにしている様に思う。無関心で事件の事すら知らなかった若者達の心と考え方の変化の部分にも注目。

革命とは?正義とは?イデオロギーとは?とにかく問題提起が山程 されるので観る方に覚悟がいる。

本当に疲れる映画。でも心震える映画。そして人間の恐ろしい1面を知る映画。集団ってもんが暴走した時に何が起きるのか……答えは出ないにせよ見て見ぬ振りでなく考えなきゃいけない事。

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そしてこの映画の裕木奈江は凄まじい……もっと日本映画を掻き回してくれそうなのに!!海外活動じゃ勿体無いと思う次第。

つーか役者は劇中劇って事もあり2段階で演技してんだよね。凄いですわ。

劇中劇にして監督の失踪を絡め最後に映画を撮り終わり役者達も成長し……的な感じで終わってくれて非常に助かる……何か救われた。


とにかく体力気力充分な時で無いと観るのをお薦めは致しませんわ。

マンガでは山本直樹のレッドもかなりキッチリと描かれております次第。