これ以上無い 探求本
黒澤明と七人の侍
映画中の映画である七人の侍を頭から最後まで丁寧に解説している本。
あのシーンはこんな意図が!とかあのセットにはこんな秘密が!あの演出にはこんなやり方が!と感心しかり。
とにかく凄い。隅々にまで行き届いた細かさに頭が下がる。
黒澤明の頭の中で出来ている映像を完璧に再現するために努力する撮影チームの情熱と役者の監督の予想をも越える演技。
映画における奇跡。
そもそもアイデアからして全く違う所から発想し共同脚本で男三人で泊まり込みをしひたすらに書き続ける。そこから作りそしてダメなら躊躇なく壊す。そして奇跡のアイデアが降りてくる。
七人の侍は野武士に村を定期的に壊滅に追い込まれる村が飯を食わすと言うだけの条件で侍を雇い村が一丸となり野武士に闘いを挑む映画。単純に書けばアイデアはここまでだが侍を雇う過程までにもドラマがあり村人の中のドラマ、そしてロマンスまである……うーん非常に深い。
実に色々な要素が詰まっている。
この本を読みつつ映画観たら余計に楽しいの間違い無し。
俺も時間ある時にもう一度観るべしと思う次第。