刑事一代 | スキップカウズ・イマヤスオフィシャルブログ『イマヤスの「モンデバイソン」』by Ameba

刑事一代

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6月に放送されたテレビ朝日開局50周年のスペシャルドラマ。



何と2夜連続!




録画したヤツを今頃になって観る。




これは昭和の難事件を数々解決した伝説の刑事 平塚八兵衛のノンフィクションを基にしたドラマ。



実は俺 原作読んでたから観たかったんだわ。 ちなみに佐々木嘉信の作。新潮文庫。

帝銀事件



義展ちゃん誘拐事件


三億円事件



などなど。




所謂 ノンキャリア 現場叩き上げの足を使い執念深く事件を追い詰める刑事。自白を取る名人でもある。



昇進試験など一度も受けず喧嘩をしてでも自分で一から調べないと気が済まないある種信念の人。




この人のちに無試験で警視にまでなる。





交通状況も悪い時代なのでアリバイを崩す為に地方に行くのも鈍行……それでも何も出ない事もある。



それでも執念深く被害者の思いを胸に秘め何度も現場を訪ね時に加害者の気持ちにまでなって事件解決に導こうとする。




戦後最大の誘拐事件での限られた拘留期間での容疑者をオトシにかかるシーンは圧巻。人権問題で上とぶつかる現場……この頃から被害者の人権より加害者の人権が尊重されるのは変わらない訳だ……ん――何のこっちゃ?



20年以上を渡辺 謙が熱演。素晴らしい!!



警察もそして現場の刑事もその周りを囲む新聞記者の事件担当もまあ全てが熱く皆自分の仕事に信念+プライドを持つ。




今とは全く違うんだろう と思う。




今の日本の警察も優秀なんだろうけど余りにも不祥事多過ぎだもんな。




しかもこのドラマキャストが物凄く豪華。



役者同士の相手をくってやろうと言う気概が見え隠れしてこれもまた素晴らしい。




辛抱強く我慢し小さな嘘をひとつづつ暴き犯人を追い込んでゆく様は圧巻。雑談の中で油断の無かった犯人が一瞬の隙を見せる……その瞬間に畳み掛けて犯人を自白に追い込むシーンは鳥肌モノ………………………………………泣けた。
この鬼刑事と呼ばれた平塚八兵衛だが死刑にしてしまった犯人の命日に墓参りし涙を流すと言う人情家の一面も。

事件を一緒に解決に導いた同僚刑事が末期癌にて亡くなってしまったり自分担当の事件記者との心の交流………現実ってのは本当にドラマチックだよな。


昭和の事を知る度に俺は平成に向いてない様な気がしてしまう(笑)




原作も非常に丹念な取材で面白かったがこのドラマも時間が長尺なせいか物凄く丁寧な作り。




このドラマ、と言うか終わって1ヶ月たってんだけどさ(笑)これを観て興味持った人には新潮文庫の原作もお薦め。




ドラマの山場の誘拐事件はまた別のノンフィクションも出ていてそれも秀逸で泣ける作品になっている。


その本は



誘拐 本田靖春



これも名作。元事件記者だった人の作品なので緻密かつ丹念な作りしかも犯罪を犯してしまった犯人のバックボーンにまで触れ感涙の一冊。





平塚八兵衛の言葉で一番印象に残るのは




刑事には100点か0点しかねえんだよ。




ホシを挙げれば100点 挙げれなきゃ0点





印象深い一言。


ちなみにお笑いも0か100の厳しい世界だろうし音楽もそうだ。いくら良い歌作っても聴いてくれる人に届かなきゃ意味が無い……売れるか?売れないか?……そんな簡単であって欲しくないがそれも現在の所事実。いやらしくない言い方すれば!!



届くか 届かないか である。(作り手の想いが)




映画並みに良かったこのドラマ。きっとDVDになりそうでないかい?見逃した方は是非いずれ観て頂きたい。



見応えあり。