校長……お久し振りです。
本当に凄い映画を撮る人である。
復讐するは我にありは俺の邦画ベスト10に長い事君臨している。
そして俺が18～21まで通った日本映画学校の校長先生でもあった。
偉大な人である。残念ながら亡くなってしまったが作品は今も色褪せない……機会があれば是非観て欲しい！！
何と言うか格が違うのがよく分かるから。
今となっては良い思い出と言うより自慢の一つが俺が若かりし頃今より若干トガッていた面倒臭い若者だった頃……あの！カンヌ映画祭グランプリを二度もせいした今村昌平大先生に俺はヘッドロックした事がある……場所は福島で農村実習の最中…当然酔っ払ってて！ではあるが！
農村実習というのは日本映画学校独自のカリキュラムで何故か映画作りは米作りのスローガンに基づき見知らぬ農家に10日間ホームステイして米作りを手伝うのである。
まだ若いしいきなり独り知らない家で過ごす…朝5時起きで仕事し大体夜7時まで。朝から晩まで会津磐梯山を眺め田んぼの中を走り回り転げ回る、一回深い穴に落ち助け上げられ風呂に入ったら10㎝くらいのヒルが太ももに貼り付いていたりして……まあ過酷な作業なのである。
その分上手い事農家の人にハマると最後のお別れの日に涙モンなのである……バックに入り切れない程のお土産…俺が世話になった家の大将（俺はお世話になった家のお父さんをそう呼んでいた、志村けんに似ているのだが無口）は俺が村を去る時に寂しすぎるから……と見送りに来なかった…それをお母さんに聞いた時に俺は不覚にも泣いてしまったのだが！しかも本当に困ったら養子においで！嫁探してあげるとまで言われたのだ！物凄いハマりようだしょ？正にこれは！！余りにも早すぎたウルルン滞在記である。
で丁度半分の5日目くらいに脱走者防止の意味も含めクラスメートが集会場に集合し慰労会みたいなのが開かれる。（毎年数は少ないが本当に脱走者が出たりして問題になるのだ！）そこで校長も福島にやってきて交流を持つのが恒例なのだが……その日校長の到着が遅れ我々俳優科の面子は完全に出来上がり何せ皆久々に会う為テンションは高いし若い…馬鹿げた一気を繰り返し煮えている所に校長登場！
挨拶しようとしているのに！
固い事言うな！と泥酔の俺ヘッドロック！
その後 職員にボコボコ引っ張たかれ大変な事になった………何せほぼ職員は今村組、いわば組長に突然絡む馬鹿が現れたのである！だが！今村大先生……全く怒らない……されるがまま。それどころか笑っている……
今 考えてみると凄い人だよなあ……とつくづく思う。大人物であると今本当に感心する。学生ホールに一升瓶を持ち込み泥酔した生徒が救急車で運ばれた時も平気な顔で一緒に呑んでいた様な人……正に規格外。
校長 あんときは本当にすんませんでした！
俺 本当は大ファンだったんです！一杯聞きたい事あったのに！ 映画も本当に好きだったのに！試験の時面接までしてもらったのに！
うまく気持ち伝えられませんでした…すんません……と手を合わせ伝えたあたくし。
近々 また今村校長の映画観よう。
本当 凄えんだから！！