9/10 | Gilles and Pique

9/10

 

途中から何かおかしいなと感じ始めていた

湯田中から志賀高原に向かう夜行スキーバスに乗っていたのだけれど 勾配が急すぎる いくらなんでもこんな急坂は登れない 案の定バスの後輪は空転を始める それだけならまだしもズルズルと坂を滑り落ち始めている 振り向くと100m以上下方に川が流れている 今は夜だ おかしいぞ こんなにはっきり景色が観えるはずはない

 

これは夢だと認識したと同時に目が覚めた

 

時計の針は午前2時を回ったところだった

 

何度か寝返りをうった後 諦めてコーヒーを淹れにベッドから下りる

 

 

こういう朝はもう少しサスペンションのアタリが柔らかい もう少しイージーなクルマに取り換えたくなる

ぼんやりとしたアタマでハンドルを握る ニルバーナとかクラプトンとかは聴く気になれなくって Everything But the Girl から I don't want to talk about it とかのミディアムナンバーを選ぶ

 

 

身分不相応な Hdcp を頂いているので 今日のアンダーハンディのゲームは参加するだけだ 試合の気分を味わいたかった

 

普段ご一緒することの無い方々と ニギル事も無く 寡黙に1打1打に集中するってやつ

 

 

試そうと思っていることがある

 

ドライビングレンジでは時々できる 何の気負いも無い遊びのラウンドでは何かの気紛れのように時折出現する

ちょっとだけ緊張感のある今日のラウンドでは全くできなかった

 

 

イメージする体の動きが具現化してくれない

永年慣れ親しんだ悪癖だ そう簡単に変わるとも思っていない

 

 

それでも前半9Hの結果はさほど悪くはなかった

 

38 17P

 

稚拙な願望をボールがトレースしてくれたこともあった

 

 

後半9Hの最初のホールで 「ああ なんかイヤだな」 と感じるモノがあり そこからトリ ダボ ダボ だ

あっけなく崩れ落ちていくオレ どこか遠くでそれを不敵な笑みを浮かべながら眺めているオレ 「だろう? そうなるんだろうと思ってたよ」

 

45 18P

 

おそらく今年最後の夏日だろう 汗をぬぐいながらメマイを感じる

 

 

美味しくも無ければまずくも無い天せいろ

機械的に喉に流し込む

 

「何がいけないのだろう?」 アタマの中ではその問いが渦を巻いている

 

 

最近のロータスはガンダムのプラモデルみたいだ 

昔 ロータス エスプリに「悪魔に魂を売ってでも」乗りたいと思ったことを思い出す

 

Chris Rea の On the Beach が流れるクルマの中

「何故 先日出来たと思った体の動きが今日は全くできなかったのだろう?」

 

ジブンが歯がゆい ゴルフの後によく沸き起こる感情だ

 

 

睡眠不足のせいもあり 帰宅後 一瞬だけれど気を失う 堕ちる瞬間がわかった 死ぬ瞬間もこうなのだろうか?