犬 | 今永ぴっとの詩集「俺、猿とメルヘンの旅支度」

今永ぴっとの詩集「俺、猿とメルヘンの旅支度」

詩唄いが、伝説の「猿の種」を探す,旅の途中に綴る詩
~ノーフューチャーな森へ好んで、歩み出す~

歩いている 


顔は コンクリートより 数センチ上


でも 空は 青い


役立たずのシッポは 方位磁石


道行く人に 見えない暴力を 振るっている


飢えた 行き場の無い はらわたが 鳴る


噴水の前で 立ち止まる


溺れるくらいの 生命を浴びる


幸福が すべり落ちてくる


ブリキの 積み上がる音色に


脂肪が 削られていく姿


俺は 何処にも行けない犬だった


俺は 孤独を知らない犬だった


齧ってみる 口は 果実よりも  数センチ 外


塞ぎこんでいる 血管の門番


野性の力と ナイフを交えて 唱え事をしている


眠りという 悪魔が 手招きをする世界


じっくりと煮えたぎる 夢の中へ 放りこまれる


忘れていくものは 破られ 砕ける 裸の地図


澄んだ 透明の 眼 眼 眼


オマエは 何処にでもいる犬だった


オマエは 走ることを知らない犬だった




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