犬の歯科治療(何やってるの?)な、話 | いまもとしげきのブログ

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第66回 全日本社会人ボクシング選手権 ヘビー級 優勝
平成26年度 神戸市スポーツ表彰
平成26年度 兵庫県スポーツ優秀選手
獣医師・防災士・大学非常勤講師・日本サッカー協会公認D級コーチ

犬の口腔内の治療については、口が臭いとか、最近痛そうとかといったところからスタートすることがほとんどです。今日は、ちょっとそういうところを紹介します。当院での話ですので、一般的な歯科に関しての診療と考えてください。動物の歯科を専門とされている先生は、大阪の方におられますので、そういうところをこっそり紹介しています。
では、診察ではどんなことをするのか・・・。

まずは無麻酔で口を観察します。来院時にはこのへんを頑張ります。でも、噛まれそうになったら院長は心が折れます。それで歯肉炎が確認されたら、治療しましょうか~~って話をします。やっぱりこれ、全身麻酔使って一回きれいにした方がいいよねって話になることが大半です。その時は予約して、後日全身麻酔下でやります。そんな話がスタッフさんからあると思います。

では、全身麻酔下でやる、、、は、どうやってる?の話です。
処置当日は、絶食で来てもらいます。飲んでる薬などがあれば、相談してください。

当日は、血液検査(+レントゲン検査、心電図などが必要と思われたらやります。)を行います。基本的に、年齢だけを理由に処置をやめることはほぼないです。

さて、歯科処置の日は、院長は精神的な準備をして頑張る気持ちをもって当日お待ちしています。

まず、全身麻酔下で口腔内の検査(歯周ポケットを調べたり)、歯のレントゲン検査(どの歯がどうなってるかを把握)を行います。

次に歯垢・歯肉縁上の歯石除去をやります。重度の歯周病の場合など必要に応じて抜歯・縫合、、、などといった血が出るような治療をやっていこうかなぁという計画を立てます。そのために術前検査で、血液の凝固系検査まで実施しています。歯をなるべく残してほしいって言われたら、それにプラスして口腔外科的な治療をします。文章だけ見ても、大変そうでしょ?ただ、当院でできるのはこのあたりまでの一般的な部分までで、難解な症例は、やっぱり専門の先生にお任せしたほうがいいということもあります。では、話を続けます。

歯科処置をしていて、歯周ポケットが深かったしたら、ルートプレーニングっていう歯肉の下の歯石除去を専用の器具を使ってすることがあります。その時の処置を考えるにあたって、やはりレントゲンは必須です。歯周ポケットをきれいにしたら、キュレッタージという歯周ポケット内の不要な組織を除去し歯肉を歯根面に圧着できるようにする処置をすることもあります。同時に、ポケット内を殺菌するために半導体レーザーを使うこともあります。ここまでの処置は、裸眼でできないので、顕微鏡下処置として実施しています。私の場合は、裸眼や拡大鏡を使わないで歯科処置したら、多分、微妙な取り残しをしてしまうと思ってます。せっかく麻酔をかけるんだから、できることをやらせてもらう感じです。
ここまで終われば(数時間かかります)、ポリッシングで歯の表面をきれいにします。また、歯が欠けていたら、その部分の修復や、神経をいじるような治療までは何とか対応できると思います。それ以上になれば、そんな凄腕獣医師がいる病院を紹介しています。それ?どこ?って聞かれたら、院内でお答えしていますが、その先生の許可はとっていません。勝手に紹介しています。治せた方がいいでしょ?

さて、以上のような処置が終われば退院です。基本的には日帰りです。18:00頃に退院しますが、本日の処置を顕微鏡処置の動画やレントゲンを見ながら話をします。大体20~30分かかります。こんな感じで、やっています。とりあえず、聞きたいことあればご来院ください。