不安をあおるインターネットの傾向 | いまもとしげきのブログ

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第66回 全日本社会人ボクシング選手権 ヘビー級 優勝
平成26年度 神戸市スポーツ表彰
平成26年度 兵庫県スポーツ優秀選手
獣医師・防災士・大学非常勤講師・日本サッカー協会公認D級コーチ

3月中に、コロナウイルスの蔓延が始まってから、情報がどうなっていくのか観察しておりました。

今年も、災害時の行動などについては、大学で一般公開講座で講義します。今回のコロナウイルス狂騒曲的な、インターネットにおける情報整理の話は、講義の中に含まれると思います。とても参考になるものをいくつか見つけました。今日は、その中から感じたことを書きます。空いた時間で書くので、文章の前後がつながってないものはすいません。

 

まず、蔓延が始まると、メディアが報じます。

そして海外の状況が入ってきます。

まず我々が目にしたのは中国の武漢の様子でした。

 

そして若干の危機感を抱いたのではないでしょうか?

 

その後、突然ネット上では、コロナウイルスがヤバいという風潮が駆け巡りました。

私も、スポーツジムで知らないおばちゃんから

「56度のお湯飲んだらコロナウイルス死ぬみたいやで。。。」

と言われたことがあります。

 

まぁ、そのおばちゃんがいきなり言うだけではなくて、だいたいこういったデマが広がるときには、

 

「知り合いのお医者さんから回ってきたメールで・・・」

 

とか言われます。

信頼できそうな第三者を接頭語的に使うことがあります。

これは、私が東日本大震災で東北に通っていたときも同じでした。

 

「国の関係者の情報では、、、、」とか「工事関係者からの情報では、,,,」

いう言葉と共に、不確かな情報がたびたび寄せられました。

結果的には、デマにつながることが多かったです。

どこで作られて、拡散を開始したのか?誰がこのようなことをしたのか不明でした。

要するに、今考えると信用に足ることのない情報ソースでしたね。

正直、おまえ誰やねん・・・。っていう方が情報の発端だったのかもしれません。

 

今回のコロナウイルスの情報もそうです。

3月の中旬あたりから、世界的な流行のリスクがあるとか、死亡リスクについての警鐘を鳴らす情報が医療関係者や一般の方々の中で流れ始めました。

 

このような情報についてはきちんとその真偽を精査する必要があります。

 

東京大学の社会情報研究所の廣井先生は、自然災害と人間行動の中で

「人間の心理には全く異なる2面性がある。」

ということを述べています。一つは災害を軽視して無防備になること、もう一つはその逆で過度に恐れて混乱することだそうです。そして、多くの人ではその両方が共存していることを指摘しています。

 

今回も、若者での重傷者はいないと言うことから、若者に楽観論が出ているのも事実でしょう。一方で、高齢者には危機感が表れています。しかし、爆発的な感染を見せない時期では、「まぁ、日本だまだ大丈夫だろう。...」という楽観論があるのも事実です。しかし、海外の状況をみて、いずれ日本にも、、、、と考えている。こういった両極端な思考が共存していると思います。

 

様々な災害後に、過度の不安と恐怖を抱えている実例から考えると、今回のコロナウイルスは終息までの期間がかかると予測されている段階で、多くの方の心に不安や恐怖を引きずると思われます。それは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)にもつながることでしょう。実際に、日本にも新型コロナウイルスが入ってくるといった段階で、多くの皆さんは「まさか!」と思いつつも、様々なシナリオを想定されたと思います。当然最悪の展開も考えたのかもしれません。

 

現在、首都圏などでは感染経路不明な感染が広がり、不安でいっぱいでしょう。ロックダウンとか言われて、各機関がその準備を始めている状況を見れば、準備が淡々と行われているのも、その不安に拍車をかけます。そういった中では、先ゆきに不安を感じますので、情報収集がやりたくなります。そこで便利なのがインターネットです。携帯電話でもアクセスできます。そこで個人的にはいろんな情報を求めます。中にはSNSを見てるうちに、知り合いが誰かの情報をシェアして拡散してきた情報に行き着くこともあるでしょう。

 

どこの誰かの情報・・・。

 

それでも、信じてしまうのが、こういった先行きが不透明な際の心理です。

少しでも、先が知りたい。漫画の予告のように次回のヒントが知りたいのが人の心理です。なので、ちょっと見たSNS、twitterの情報に影響を受けてしまいます。それが、不安な心理状態を抱える人の心理です。

 

せっかくなので、こういった情報の整理をどうすればいいかってのを考えてみました。

 

そして、実際にfacebookやtwitterを見てみました。その中で、まずは切り捨ててもいいかもしれない情報ってのもいくつか見つかりました。まずは、情報の信頼度が低そうな、誰かの権威に頼ってるまとめサイト的な書き込みは、ほぼ不要なかなぁと判断できました。理由はシンプルで、情報ソース以外に、個人の意見が入り込んでいました。また、きっと、ウイルス感染と細菌感染の違いを1ヶ月前までは知らなかったんだろうなぁって人の書き込みについては、その真偽の判断ができてないことが多い傾向にあります。後は、言葉使い。危機感をあおるだけの強い言葉のものでは、信用性が失われます。これは、日本音響学会でも取り上げられています。強すぎる言葉では警戒心をあおるだけで、行動には移らない傾向があります。一方で、寄り添うような優しい言葉になれば、人は受け入れるようです。したがって、どのような言葉で書かれているのかについても注目すべきなのでしょう。また、このような災害時には、発生からしばらくしたら、過去に書いた内容と似たような事象となれば、「ほら、以前に私が言ったことと同じようになった。。。」と、言う書き込みと共に新たな警告が発せられることがあります。そうすれば、既に起こった事実が書かれているので、信用してしまう傾向にあります。

 

このような書き込みが横行していたのが3月でしたね。

 

冷静に事実を積み重ねる警告だけが拡散すればいいのですが、結果としてはそんなことにはなっていませんでした。

 

多くの人が新型コロナウイルスというキーワードが心の中に感染した状況です。

そして、少々のPTSDに近い心理状態になってますね。その期間が3ヶ月を過ぎれば、現状への不満が募り始める人もいますし、絶望感を抱く人もでてくる時期となります。ちょうと、首都封鎖の話が出てます。これも大きなストレス要素となります。なるべく優しい言葉で、事実を論理的に語りかけるようなコメントを政府が続けるのは、こういった心理的な面への配慮もあるのでしょう。一方で、ネットでは、今まで警告を情報収集をしていた人が疲れたり、絶望したりで、黙り込むことも見られ始めてます。しばらくしたらそのストレスがたまって、一気に乱暴な言葉での書き込みも見られる時期になりますね。

 

このように、少し距離を置いて情報を整理すれば、人の行動ってのは想像の範囲で行動しているのかもしれません。

 

では、今回の感染を終息させるにはどうしたらいいか?

 

この答えも、専門家が模索しているはずです。最も早いのが特効薬の開発。

しかし、このウイルス。プラス一本鎖RNAゲノムを持つエンベローブをもつウイルス。。。。そう簡単にはいかないですよね。

次に集団免疫。これ、重要かもしれません。

一方で、遺伝子解析の結果、新型コロナウイルスって、何度か日本や台湾に流入した実績あります。とか。

様々な情報があります。このような論文の表面だけを信じるのではなく、その論文の背景も知らなくてはなりません。

論文って、読めば読むほど、著者の都合も重なって面白いです。その中から真実をうまく抽出しながら情報整理をやってくれる人からの情報ってのは本当に貴重だと思います。まだその整理がなされてないのでしょうかね?現段階では、過去の感染症の例に伴って行動すれば?の状況ですね。

 

このように、様々な情報をうまく自分で解釈することで、少しでも不安から解放されたらいいなぁって思っています。

信用できない情報や、不確かな情報ソース、誰かから拡散してきたものについてはその真偽の判断が重要となります。皆さんの信用できる人って誰ですか?ってことになると思います。

 

まだしばらくは、この状態が続きます。

何ができるか?1人1人の役割は重要です。パニックになって、おかしな情報の拡散をして、誰かを不安にしないようにしましょうね。

 

はい、今日は、この辺で。つぎはぎの文章、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。