暑さの中にしっとりとした湿気を含んだ空気に包まれた日中は一人であてどなく都内をさまよって、陽射しの落ち着いた夕方に旧友二人と合流した。

オオサカ方面で働いている二人が早めの夏休みをとって帰省中、という感じだ。

スケジュールを合わせて旅行する二人もそれに合わせて休みをとる僕も、仕事に恵まれているのかもっと真面目に働かなきゃいけないのか、いつの間にかよく分からない年齢になってしまったな、なんて考える僕はやはり恵まれた生活を送っている方なのだと思う。

合流した直後の電車内から見える空は日が沈む直前で、混ざりあった藍と茜の上に紺色の雲が幾筋もたなびいている。
とりとめもないグダグダ話をしているうちに最初の目的地のニシダイに着いた。
彼ら予定は特に聞いていなかったけど、僕の地元なので自然と夕ごはんに良さそうなお店の候補を頭の中で検討して、この駅にどのくらい滞在するつもりなのか確認する。
2、3時間程度らしい。そして既に気になるお店があってそこに行く予定らしいので、僕はそっと自分の候補を取り下げた。
そのあとの宿泊はミョウデンに予約しているとか。

ミョウデン?
トウキョウを縦断するの?
どんだけそのお店に行きたかったんや(^-^;