お盆の意味を考えみよう | コマブロ

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~ 泰然自若 ~

残暑お見舞い申し上げます。
 

お盆が近づきましたね

 

参加している勉強会会報に「お盆について」が記してありました。
 

「意味を考える」視点でどうぞ。。。



『伝統行事を通じて自己の生命の根源を知る』

もうすぐお盆の時期です。

正式名称は盂蘭盆会 うらぼんえ といいますが、『大辞泉』によると左記の通りです。

「7月日を中心に祖先の冥福を祈る仏事。江戸時代からは日から日にかけて行われる。

(中略)現在は、地方により陰暦で行う所と、一月遅れの8月日前後に行う所がある」

今号の期間である7月13日からは、東京など都市部において、お盆の行事を行なうところもあります。

都市部以外では全国的に8月が一般的ですが、いずれにしても家族・親戚などの縁者が一同に集まる機会でしょう。

お盆とは先祖の霊があの世から帰ってきて家族と一緒に楽しいひとときを過ごし、また帰っていくという日本古来の信仰に基づく行事です。

地域によってお墓参りの形は様々ですが、特に沖縄県のお盆の行事は特徴的です。

『いのちのまつりヌチヌグスージ』という絵本があります。ヌチヌグスージとは、沖縄の言葉で「命のお祝い」という意味です。下記で、この絵本の要約を紹介させていただきます。 

 
 
はじめて沖縄にやってきた少年コウちゃん。そこで、島独特のご先祖様のお祭りと出会います。

お墓の前で食事をしたり、さらに陽気に歌ったりする姿に驚きます。

好奇心旺盛なコウちゃんは島の人たちに近づき、色々尋ねていきます。物語は、島の「おばあ」とコウちゃんの会話で進んでいきます。

島のおばあはコウちゃんに尋ねます。「ぼうやにいのちをくれた人は誰ね~?」と。その質問をきっかけに。命の元は両親だけでなく、両親にはさらに両親がいて、さらに両親の両親の両親が …と先祖の数を指を折って数えるのです。しかし途中で「もう数えきれない」と観念します。

「数えきれないご先祖さまが誰ひとり欠けても、ぼうやは生まれてこなかった、と言うことさあ~」と語るおばあ。

こうして「宇宙のはじまり」から続く「ご先祖さま」とのつながりを知り、いのちの尊さを知るというものです。

 

この絵本には大きな仕掛けがあります。数えきれないほどのご先祖様の顔がたくさん描きこまれた折込みページがあり、それを開くと圧倒的ないのちの連鎖を視覚的にも感じ取れ、驚きと感動が伴っていくのです。

販売当初、自費出版だったこの絵本は口コミで購入者層が広がり、二〇〇四年にサンマーク出版から全国発売されて大反響を呼び、平成二十年度からは小学校三年生の「道徳」の副読本にも採用されております。

子供たちだけでなく大人である私たちも「いのち」の大切さ、尊さを再確認することは必要でしょう。

伝統文化の継承が途絶えつつある昨今、先人たちが大切にしてきたそれぞれの地域や家の伝統行事を通して、あらためてご先祖様に気持ちを寄せてみてはいかがでしょう。

命の根源を大切にすることは、その延長にある自分自身を大切にすることであると心したいものです。