※季節感のないタイトルでごめんなさいあせる

去年(2021年)に書いた記事です笑い泣き

 

 

 

発達障害児の母をやっていると、数えきれないくらいの事件に遭遇する。

 

ここでいう事件とは、日々起こる小さな事件から、

驚きを通り越してもう笑うしかない珍事件、

背中に滝汗ガーンレベルの重大事件まで様々である。

 

ひとつ忘れられない事件を挙げるとすれば。

 

真夏の失踪事件

 

出来事とすればほんの10~15分の事だったと思うが、

あの時間は何時間にも感じられたほど・・・

 

目の前が真っ暗で闇に迷いこんだような感覚だった。

 

ツギオが小学校1年生の夏休み。

 

子どもたちに朝食を食べさせ終えて、

三男を保育園に送る準備をしていた時間帯、am8:00頃だった。 

 

ふと気が付くと、ツギオの姿がなかった。

 

あれ、いない・・・はてなマーク

 

 この頃のツギオは、時々家から脱走する事があった。

 

家の前は小さな道路があり、基本的に車通りは少ないのだが、

通勤時間帯や帰宅時間はまあまあ通るため、

いつか車に轢かれるのでないかといつもヒヤヒヤしていた。 

 

そこまで多動がある子ではないが、

脱走する時の動きの速さは風のようであり、

大人も全力疾走しないと追いつけない。

 

いなくなるのはいつも一瞬だった。 

 

ツギオを最後に目視したのはいない事に気づく数十秒前。

確かにそこにいた。

 

とりあえず家の中を探す。

 

名前を呼びながら(お返事のできない子だけどそこは呼んじゃう笑い泣き

トイレ、お風呂、押し入れ、庭・・・ いない。

 

外へ出たんだ。

 

慌てて玄関を飛び出し、家の周辺をぐるり見渡す。

小さな人影はおろか犬一匹すらいない。

 

少し走って、名前を叫びながら探す。

 

 

いない、どうしよう、どうしよう・・・

 

 

地域に助けを

 

震える手で夫に電話する。

 

もう早くに出勤しているが、電話に出てくれた。

「わかった、すぐ戻る。」

 

長男も走って探す。

「お母さん、自転車で探してくる!」

 

家から300m先ほどに国道があるため、

国道まで行っていないか確認してきてと長男にお願いした。

 

私はどうしたらいい?

 

私一人じゃダメだ、ご近所さんに話そう。

 

お向かいさんのママと、

まだ出勤前で家に居た、ご近所の家のパパに話す。

「わかった!」とすぐ車を出して捜索に出てくれた。

 

まだ朝の8時すぎとはいえ、真夏の晴天。

 

気温はすでに30度以上だっただろう、

サンダルの足元が、熱されたアスファルトを感じていた。

 

暑い汗なのか冷や汗なのか、とにかく汗ダラダラで走りながら探す。

 

川に落ちているんじゃないかと、ガードレールから川の中を見下ろす。

 

あの子、こんなに暑い中で水筒も持ってない。

熱中症で倒れているかもしれない。

国道まで見に行った長男も具合悪くなっていないだろうか、行かせなければよかった。

警察に連絡したほうが早いのだろうか。

警察って110?119だっけ?

どうして目を離してしまった?あの子に何かあったら・・・

 

 

頭の中はぐちゃぐちゃ、最悪の事ばかり浮かんでくる。

 

走って走って、息を切らしながら顔を上げると、

ご近所の家のパパの車がうちに戻ってきていた。

 

「いました、見つかりました!!乗せてますよ!」と。

 

後部座席を開けると、ご機嫌顔のツギオがそこにいた。

 

大好きなご近所のパパの車に乗れて嬉しそうである。

 

「中学校の近くの道にいました。

高校生のお姉ちゃんが、手をつないで一緒にいてくれてました。」

 

中学校はウチから100mほどのすぐそこ。

ツギオが見つかったところは200mくらい先のところだった。

 

女子高生の女の子がいなければ、ツギオはもっと遠くまで行っていたかもしれない。

 

無事に見つかった安堵感と、

捜索してくれたご近所さん、

保護してくれていた女子高生の女の子への感謝の気持ちで胸がいっぱいだった。

 

涙と汗でビシャビシャの顔で、

頭がもげそうなくらいご近所さん達へお礼を伝えた。

 

「さあ、降りて!」

というがまだ車に乗っていたいとごねるツギオ。

なんなのよ、もう・・・泣き笑い

 

夫と、

自転車でクタクタになるまで探しに行ってくれていた長男も戻ってきた。

 

ホッとした表情の夫へ事のてん末を話し、

「・・・じゃ、行ってらっしゃい・・・」と魂の抜けた声で再び会社へ送り出した。

 

 

ちなみに、脱走したツギオの手をつないで一緒にいてくれた女子高生の女の子も、

実は違うご近所さんの娘さんだった。

改めて娘さんのお母さんにお礼を伝えると、

 

「ツギオ君を見て、

『○○さん(ウチ)のとこの男の子だ』と気づいたようで、

ツギオ君が裸足でいたので放っておけなかったそうです」と。

 

娘さんがツギオを知っていてくれた事、

その上での機転と優しさに心から感謝した。

 

 

思い出すと今でも、あの時の暑さと息苦しさがよみがえってくる。

 

だが、同時に感じた地域の人の優しいぬくもりも、

じんわりと心に広がってくるのだった。

 

 

Maiko