マニュアル化 | 新規就農 八ヶ岳山麓で菊作り 飛翔編‼

マニュアル化

マイナス10度以下まで冷える日が続いている
今日この頃、例年の通り育苗を進めています。
芽が伸びたら摘んで挿し芽。
ひたすらそれを繰り返している段階です。
 
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先日とある農業の研修会に出たときに、
先輩新規就農者の講師の方の印象に残るコメントがありました。
 
「農業には正解はありません、自分で考え、自分で決断し、
自分で行動し、自分が責任を負うことが必要」
 
という言葉が響きました。
 
最近、近辺の菊作りではマニュアル化という言葉とともに
生産アプリ開発等、IT化推進の声が上がってきています。
ITを農業に生かしていくことには賛成ですし、ITの活用によって
生産の効率化や品質の向上に向けての道筋が明確になるのでは
という期待はあります。
 
ただ、マニュアル化という言葉には何か引っかかる気がしてなりません。
 
例えば先ほどの先輩農業者の言葉のように各自の圃場の気象、土壌など
条件の違う中で画一的なマニュアルに答えの判断を預けてよいのか?
 
また、マニュアルは想定外に弱いのでは?
思い出してみてほしい、東日本大震災の時に避難マニュアルに従って
避難したことによって亡くなってしまった命が多数あったことを。
 
一時アルバイト社員の行動を見てマニュアル以外の対応は出来ない
マニュアル人間なんて言葉が言われた時代もあった気がする。
 
またこれは個人的なイメージなのですが、マニュアルとは上意下達の
管理ツールである気がして、これに従っておけばいい!
といったやり方は業務の硬直化を生む気がしてならない。
 
ただですら変化の多い時代、前提が変わらないマニュアルだとしたら
果たして変化に対応できるだろうか?
 
温暖化とともにこの富士見でも気象は想定外のことが毎年で、
対応力が試されるこの頃です。
気象変化による行動判断の目安は盛り込まれるのだろうか?
品種も多いし入れ替わりもある。
品種にもよるが生産工程管理にはそれほど大掛かりな機器はいらないのでは?
 
アメリカではトランプ氏が大統領になり、いろんな前提がひっくり返され始めている。
各国各企業、民衆は対応を迫られる、マニュアルも覆る・・・だろう。
 
とは言え菊作りで良品生産のためのガイドラインは必要な気はしている。
特に経験の浅い新規就農者には生産の目安、道しるべとなるものは必要だと思う。
上手に作れるための近道が示されるもので、各自の裁量も認められるもの。
 
個人的にマニュアルという言葉が嫌いなだけなのかな、
ただ言葉の問題か、もし整えるなら生産ガイドラインという形で整えるのはどうか。
 
縛りが強い気がする、マニュアルというと・・。
マニュアル、そしてアプリに従わないからダメなんだ、とか、
産地の雰囲気が固くなってしまうような運用の仕方になったら最悪。
やはり各自の条件の違いによってある程度各自の裁量が残された
ものであれば良いと思う、なぜなら自分のやりたいと思った工夫をすることも
農業の面白さの一つである気がしてならないから。
硬直した雰囲気を醸成してしまうような縛りの強いものが出てきたら嫌だな。
 
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そうはいってもこのご時世、ITを農業に活用しない手はないと思うし、
生産の効率化を推し進めていくことは必須であると思う。
 
世の中AI(人工知能)の開発も進んでいるし、近いうちにAIの農業への活用も
始まるのではないであろうか、始まっているのかな?
 
個人的には客観的データなどと自身の五感をフル活用し
冒頭の先輩の言葉の様に営農のあらゆる面で
正しい判断を、決断を、下せる農業者に成長していきたい。
 
時に報道でITの活用で圃場の問題が解決した事例を見聞きすることは多くなり
我々信州諏訪の菊作りもそういう仕組みを導入することで
産地として前進することができるのならぜひ活用できればとも思う。