ミラノ・コルティナ冬季オリンピック女子1000メートル。
このレースは、単なるメダル争いではありませんでした。高木美帆にとっては、自分自身の現在地を突きつけられる舞台だったのです。

 

会場はオランダカラーのオレンジ一色。レールダム、フェムケ・コクという強力なライバルが同じリンクに立つ中、高木は静かにスタートラインへ向かいました。外から見ればアウェーの雰囲気。しかし彼女の滑りは終始冷静でした。

スタートは安定。200m通過も好位置。中盤までほぼ理想的な展開。大舞台でありがちな力みもなく、「やるべきことをやった」と言えるレース内容でした。

それでも届かなかった。

 

レールダムは後半で圧倒的な加速を見せ、五輪新記録を樹立。差は縮まらず、高木は銅メダルでフィニッシュしました。

レース直後、高木は勝者を称え拍手を送りました。その姿は清々しくさえ見えました。しかし、メダルを手にした瞬間に口にした言葉がすべてを物語っています。

「この色が今の実力。」

 

これは敗者の言葉ではありません。現実を正面から受け止める、トップアスリートの覚悟です。

北京大会で金メダルを獲得し、五輪記録を打ち立てた女王。連覇という大きな目標は潰えました。しかし、その冷静な自己評価こそが、次への布石になります。

なぜなら、高木美帆の本命は1500メートルだからです。

 

1000mはスピード勝負。爆発的な加速力が問われます。一方1500mは持久力、ペース配分、終盤の伸びが鍵。高木が長年培ってきた武器が最大限に活きる種目です。

今季ワールドカップでは苦しんだ時期もありました。滑りが固まらず、思うような結果が出ないレースもあった。それでも大舞台で銅メダルを獲得した事実は重い。これは決して後退ではありません。世界トップレベルに居続けている証明です。

むしろ私は、この銅メダルこそが最も危険だと感じています。

 

悔しさを明確に言語化できる選手は強い。
自分の現在地を正確に把握できる選手は、必ず修正してくる。

1500mでは展開が変わります。


ペース戦になれば、日本のエースは十分に金メダル圏内。レールダムとの再対決も視野に入るでしょう。

銅メダルは終わりではない。
これは再起の起点です。

「このままでは終われない」
その闘志が、次のリンクで爆発するかもしれません。

ミラノ・コルティナ五輪、女子スピードスケート1500メートル。
高木美帆の真価が問われるレースは、ここから始まります。

 

あなたはどう見ますか?
1500mでの金メダル奪還はあると思いますか?

コメントでぜひ意見を聞かせてください。