シトリン夫婦は夕食のみを一緒に食べる「夕食婚」である。
自宅を本宅と呼び、仕事場を別宅と呼ぶ。
シトリンは夕食のみを旦那様と食べるために本宅に帰っているのである。
いま、子どもたちは学校に行くことができない。
メンバーさんの子どもたちも高校生は急きょ「オンライン授業」的なものが始まっている。
ここ1ヶ月、シトリンの仕事はまったく動かない。開店休業中である。
家にWi-Fiの環境のない子たちに、シトリンの仕事場と使っていないPCを開放することにした。
といっても、３密はまずいので、１組ずつ。（親同伴もあり）
シトリンが在宅で仕事を始めたころは、何も入っていないPC（Mac）を買ってきて、OSからインストールする時代であった。
いまのように、サポートが充実しているわけでもなく、ネットもない時代、手探りでやってきた。
やがてインターネットが開通し、接続も全部手探りでやってきた。
あのころのことを思うと、いまはなんと簡単なことか。
しかし、凄まじい進歩で、いまの環境についていけているわけではない。
パソコンを持ってきた子には、Gmailのアカウントを作るところから始まり、必要なソフトを入れてあげたり、老化に拍車が掛かった頭で、思い出しながら、なんとか授業を見ることができるまでの環境にしてあげることができた。
パソコンを持たない子には、シトリンの使っていないパソコンを使ってもらっている。
初期設定など、もう何年も必要なかったので、老体鞭打って夜のうちに予習しておくのだ。
もともと、この仕事場（別宅）は、土砂災害のときに、仕事場を安全な場所に移して欲しいという取引先の要望で借りたものだ。
避難勧告が出たときなどに行き場のない人の避難場所にもできればと思っていた。
その後、避難場所として使ってもらう機会はないものの、
まさか、コロナで学校にいけない子たちのお役に立てるとは思ってもいなかった。。。
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