シトリン夫婦は夕食のみを一緒に食べる「夕食婚」である。
自宅を本宅と呼び、仕事場を別宅と呼ぶ。
シトリンは夕食のみを旦那様と食べるために本宅に帰っているのである。
２週間くらい前に、孫５歳児（男）から電話が入った。
「ねぇ、ぼくの誕生日は５月なんだけど、プレゼント、前倒しでくれんかなぁ」
さすが、３番目ともなると、交渉がうまい！
なんでも、「あつまれ どうぶつの森」というゲームのソフトが欲しいらしいが、コロナで自宅待機の子どもたちに人気らしく、すぐに手に入らないらしい。
いつもなら、誕生日ギリギリまで決めかねて、ネットで注文するババにとっては間に合うかどうかと気を揉むが、今年は「前倒しでお願い！」と電話が入ったのだ。
そのソフトが今日、届いた。
すでに、シトリンの住む地域も学校や幼稚園も休みで孫たちは毎日家で待機である。
息子もテレワークになったらしい。
それなら、誕生日にはひと月早いが、持って行ってやることにした。
しかし、普通の渡し方はしないシトリンである。
ゲームのソフトを一回り大きな段ボールに入れ、
また一回り大きな段ボール。
それを繰り返し、５歳児が入れるくらいの大きなの段ボールにした。
それを、台車に乗せ、息子のマンションまで行った。
家の中に入るのはお互いに怖いので、玄関の外でその段ボールを開けさせた。
あっという間の出来事であった。
１つ１つ段ボールを出して開けていくと想像していたシトリンだが、なんと、孫５歳児（男）は一番大きな段ボールに頭を突っ込み一気に開けていったのだ。
そして一言
「神ぃ～」と言われた。
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