201号室に男性が入居した。
会社が借り上げたようである。
当然、その会社の社長は事情を知っている。(近くの住人だから)
ただ、入居してきたお兄ちゃんは事故物件だということを知らない。
当然、誰も「いるらしい」「見える」という話はしなくなったし、当然前の入居者の事は口チャックである。
「見える・感じる」人以外でも201号室のあの騒動は、現実に起こったことでご近所さんの記憶の中から消えていない。
最初のうちは仲良くしていた。
いろんなことも話をしたり相談を持ち掛けたりしてきた。
ご近所さんとも仲良くしたいたのだが。
コロナである。
お兄ちゃんは仕事がなくなった。
昼間からお酒を飲み、ご近所さんにも悪態をつくようになった。
私のところにも「うるさい。おばちゃんは仕事があるからいいけど、僕は仕事がない」という。
3階のお兄ちゃんのところにも「うるさい」と怒鳴り込むようになった。
本来は気が小さく寂しがり屋である。
悪態をつくものだから、みんなが距離を取るようになっていった。
極めつけは
名指しで「おばちゃんと3階の男の車に火をつけようかと思った」と口にしたことである。
カッとなったらやりかねないので、それからは気を付けながらの生活であった。
私たち住人は「お化けよりも生きてる人間のほうが怖いよね」と車の音や洗濯機、掃除機を掛ける時間など気にして生活するようになった。
「お化けよりも生きてる人間のほうが怖いね」と見えない・感じない私らこのビルの住人は思うのである。
いつもお読みいただきありがとうございます。
乳がんに関するブログときどき更新しています。
ポチっと押していただけると励みになります。