いよいよあと2週間ほどでテト、旧正月です。ベトナムもいよいよお正月モードに入ってまいりました。職場のベトナム人はもう気もそぞろ、これからは仕事のアポを入れるのは一苦労という時期です。

 そんなテト前、年の瀬の忙しさの中、この時期のベトナムは経済問題は非常に多いです。皆が年の瀬の買い物をするので上がる食料品価格、皆が待ち焦がれるテトボーナス、それが足りなければ労働者のデモ・・。そして、それらの基本(?)となるのは、そう「マネー」です。いまやビットコインなんていうバーチャルマネーまで流通する21世紀のデジタル社会ですが、ことテト前のベトナムとなれば、そこは完全な「現金社会」です。皆が良い正月を迎えるために、田舎におみやげ持って帰るために、とにかくお金(特に現金)を求めて奔走します。仕事場では「すまん、給料先払いして!」なんていう光景もしばしば。

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こんなお土産をあっちこっちに買う(貢ぐ?)にも先立つモノが必要です…

 そんなミクロな経済行動の積み重ねは、国のマクロ経済政策すら動かします。ベトナム中央銀行は昨年に続き、ドル買いドン売りの市場介入を実施、何とかレートを1USD=21,110ドンに保っています。やはり原因としてあげられるのは強いベトナム・ドン需要、特に労働者に給与支払いを行うために、ドルがドンドン(ダジャレじゃないですよ)売られているのだそうです。

 更に今朝15日付のベトナム紙TuoiTreでは、記事タイトル曰く「銀行はATMに"お金を十分入れておく"ことにコミット」との文字が。「っていうか、それくらいコミットすんでしょ」と思っていたら、これがそれ程簡単ではないとのこと。田舎に帰る労働者なんかも多い中、この時期はベトナムドン現金需要がすごいので、ATMから現金もガンガン引き出されて、ATMにお金がないということが相次ぐのだそうです。

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 「へぇーそうかぁー」なんて思って仕事場のお昼休みにATMに行って、500万ドン(約2万5千円)下ろそうと思ったら、画面には「ゴメン、そんな持ってないから350万ドンにマケといて(意訳)」と微妙な感じで値切られてしまいました!この値切り具合がマジっぽくて、本当にこりゃあ現金不足が深刻・・・っていうかこのATMは銀行支店の目の前なんだから、ちゃんと補給しとけよ!という実体験も含めてのベトナム年の瀬経済の話でした。