2012年は迷いが多かったせいか、自分の人生史上最少と言って良いほど、驚くほど本を読まない年でした。どの本を手に取るかすら迷ってしまい何の本もとらない自分がいました。でも、何となく今年は1年振りの発信の年にできそうな感じ、この「根拠のない自信」を忘れずに乱読でも良いから本を読んでいこうと思います。

 というわけで、ハノイ出張前の成田空港で雑誌も含め勢いで5冊購入、その内の一冊がここで紹介する「冒険に出よう」(安藤美冬 著)です。正直この方については全く知りませんでしたが、どうやら自分が無知なのでしょうか、既にメディア、特にソーシャルメディアの分野ではなかなかの有名人の方のようです。実はたまたまお正月にNHKで「ニッポンのジレンマ」という討論番組を見て、それで出ていた幾人かの参加者が面白いと感じ、その方の本を今回出張の前に空港で慌てて探していたらたまたま目に入ったのがこの本でした。

冒険に出よう (U25サバイバル・マニュアル) (U25 SURVIVAL MANUAL SE.../ディスカヴァー・トゥエンティワン

¥1,260
Amazon.co.jp

 ちょうど2013年は自分にとっての「働き方」にも大きな変化が起きそう(起こさねばらなさそう)な中、上記番組のテーマもそうでしたが、ここで取り上げられている彼女の体験談はリアルな肌感覚を持って読めるものでした。彼女が独立に至るまでの考え方や、今の仕事をする上でのこだわりと判断基準、それを日常でどう実践しているかの紹介など、考える上での彼女の哲学とその実践ノウハウ(というか、彼女なりのやり方)がバランス良く書いてあり、かつあっという間に読めました。飛行機に入って、機体が滑走路でもたもたしている間の1時間くらいでバッと読んじゃったでしょうか(笑)。「1年で3000人に会った」などとてもできなそうなこともありますが、取り入れられそうなこともありそうです。今年再度スイッチを入れてみようかと思うツイッターとの付き合い方の参考にもなりそう。

 独立してフリーランスとして生きていくには、幾つかのキーワードの組合せで「自分の軸を持ち、オリジナルな切り口で勝負」し、「ブルーオーシャン」を模索し、如何に自分をセルフブランディングする「自分編集長」になるか、等々。全く新しいことではないですが、体験と共に来る語り口調は伝わってくるものがありました。また、ノマドという切り口で紹介されたジャック・アタリの言葉にも興味津々、次は「21世紀の歴史」を読んでみなくては(でもちょうど日本を離れたところなのですぐには買えない、涙)。

 ただ、彼女のことをほとんど知らない読者(=自分)としては、彼女が具体的に現在どういう仕事をやっているかと言うことをカチッと紹介してもらえれば、これら考え方ややり方がどこにどう反映されているかわかりやすかったと思いました。ジャンルも違うし、非常にクリエイティブなところにいるのでしょうから少しわかり難いかなあ友。まあ、本著の中でも、或いは上記NHK番組でもあったように「複線的なキャリアを持つ」ことなどあったので、何をやっていると人括りでいうのも言い難いほど色々やられているんでしょうね。ちなみに、この複線的キャリア(=収入源)という考え方では、「月3万円ビジネス」(以下リンク参照)という本をふと思い出しました。これもなかなか面白い本でしたよ。

月3万円ビジネス/晶文社

¥1,575
Amazon.co.jp


 著者自身も言う通り、これはあくまでこの安藤美冬さんという人の働き方で、恐らくメッセージは「このような色々なキャリアモデルを、個々人で、個々人のできる範囲の中でやっていったらもう少し皆ハッピーになれるのでは?」ということかと思い、それがこの本のコアメッセージなのかなと考えます。その意味で「独立指南書」というわけではないですが、「何かやりたいんだけど、きっかけが・・・?」と思っている方には、手軽に読めて、自分の心の整理につながる良い一冊かと思います。自分もあまりにあっという間に読んだので、少し読み返しながら自分なりのモデルを考えるにあたってのアイディア整理の一助にさせて頂きたいと思います。