芥川賞受賞作「火花」はまだ読んでいません。
「ある作家の作品をはじめて読むときはエッセイ、短編小説から」という
自分だけの曖昧なルールのようなものがあるのですが、
今回は書店でたまたま見つけての衝動買いでした。

古風な渋い装丁と文庫より一回り大きいサイズが
ポケットに入れて持ち歩くのに丁度よさそうだった事もポイント。

東京の地名を冠した100編の文章。
文章うまい。
理に適った感じの、コント台本的なオチのあるもの、
不条理なものなど含めていろいろ。

過剰な自意識と客観・俯瞰視。
標準語の地の文と時折入る関西弁のツッコミ。
隅々まで眼が行き届いていると思います。

強い表現欲求を感じる。
で、その核になる表現したいモノが存在するかどうかはわからない。
短文のエッセイですから、そこまで深く降りて行ってない。

その辺は長編「火花」に期待。