第5階ポプラ社小説大賞受賞作品。
著者が若手俳優だったり賞金が2000万円だったりと周辺が騒がしくてそちらが話題になった作品。
 
古書店105円コーナーで新本同様の本を発見。
新品定価購入なら数ページ読んで判断しますが105円ですから即「買い」ですね!
(発刊当初、書店で袋に入れられていて試し読み不可でした)
 
魂はどこに宿るのか、命とは、というのがテーマ。
それを説明するための舞台装置は少々強引でご都合主義なことは否めない。
章の終わりの「ヒキ」もバラエティ番組的というか、煽る感が強い。
文章も軽い。
 
でも読みやすいし、「重い」テーマを物語に落とし込んで完結させる、というレベルではあると思う。
受賞とか出版とかマスコミでの採り上げられ方とか、作意は感じる。
作者の知名度、ニュースバリューも含めての商品価値だから批判するものではない。
 
オビのアオリ文句「哀切かつ峻烈な『命』の物語」とのイメージの乖離は甚だしい。
だって「イギリスならジンだな。イギリスジン」ですよ!