アンダルシアのひつじかいの少年が色々な啓示を受けながら、
自分の運命をまっすぐに辿り、「宝物」を探してピラミッドまで旅する話。
 
「星の王子様」と並び称される童話風の物語。
 
彼は神学校に通っていたが、広い世界を見たくて唯一それが可能な職業である羊飼いに。
多くのことを学んだ2年後、夢を解釈してくれる老女からピラミッドに宝物を探しに行く様に告げられる・・・。
 
言葉、会話が深くてひとつひとつ考えさせられます。
特に世界や人生の仕組み、道理、真実を理解し、語る時に度々出てくる
「マクトゥープ(それは書かれている、の意 正確にははアラブ人にしかわからないらしい)」
は、別のある作品で出会った
「説明されなければ判らない、と言うことは説明されても判らないと言うことだ」
と同じくらい滲みました。
 
神様は極々稀に未来を見せてくれる。それは変えられるように「書かれている」未来だけ。
 
なぜ主人公の少年が特別なのか、とか成長の度合いが急激過ぎ?
と言う点に関して必然性に疑問は残りますが、
様々な設定が試され尽くした現代に書かれた
新しい作品の宿命かもしれません。