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ファミレスで白ワインデキャンタです。
深夜にファミレスで白ワインのデキャンタを注文するような私ですが
色々な「常識」をわきまえています。
たとえば
「ワインはデキャンタから直接飲まずにグラスに注ぐこと」
「ほうれんそうのソテーは手掴みではなくフォークで優雅に食べること」
などなど。
隣の席の人も常識ある人でよかった。
つまり深夜のファミレスでも皆に共通した「常識」があり、お互いの想定の範囲で行動します。
それゆえ落ち着いて読書などが出来わけです。
 
 
今50ページほど読み進んだ本書ですが、登場人物は常識人であるらしい。
個々の出来事に対する反応、友人との会話など普通過ぎるくらいです。
想定の範囲内、
普通の人々。
 
しかし彼らが暮らす状況、社会、そこで求められる規範は(われわれの社会を基準として)
相当異常らしい。もちろん、食事作法などの身近な部分は通常。
舞台も未来とか大昔とかどこかの異星とかじゃない。
人為的な社会システムの部分で相当異状な匂いがする。
 
それを普通として育って、しかも判断自体はわれわれと同じである主人公(語り手)は
異常を異常と感じないのでそこをなかなか説明してくれない。
しかし。異常な事態そのものは語らなくてもその周辺を精密に、しかも子供の視点で語ることで
影絵、浮き彫りのように問題の形が浮かび上がる。
全350ページ、残り300ページ。
まだまだ楽しめます。